2024/09/13 (金) 08:00 6
S班9名が参戦する共同通信社杯はGIIに格付けされてるから、GI戦みたいにこれでグランプリ出場が決まるわけじゃないんだよね。でも、賞金額が大きいから無視はできない。上積みを狙う選手たちにとっては絶好の機会だろうね。
残り3ヶ月ちょっと、グランプリ出場をかけたタイトル争いだけじゃなく、賞金争いもどんどん激しくなってきた。ランク外のS班の選手たちももちろん注目だし、ワンチャンスを狙う選手たちの動きも見逃せない。特に地元開催で気合いを入れてくるのは眞杉匠じゃないかな。関東勢の結束を足掛かりにVチャンスは大有りだし、脇本雄太と古性優作を軸に攻める近畿ラインもしかり、北井佑季、郡司浩平、深谷知広らの南関勢も互角以上の戦力を誇る。
上位陣の力関係はかなり拮抗してきてるし、連携や結束がなければ、優勝を掴むのはますます難しくなってきているのが現状のように見える。
共同通信社杯は『若手の登竜門』と言われているが、俺が見逃せないと思ってるのはベテラン勢だべ。特に500バンクでは、ベテランの技が光るんだよ。昭和、平成の匂いを強く残す荒井崇博なんかは、その象徴だろう。
縦脚を駆使する自在戦は500バンクにもぴったり。若い自力型を翻弄するテクニックも荒井の大きな武器だよ。“妄想枠”からは除外すべき存在だが、荒井崇博を抜擢しライン違いを期待しつつ狙ってみるべかね。
荒井の乗る11Rを妄想に狙ってみる。まずは並びの整理から。①眞杉匠-②荒井崇博のサプライズライン、⑤浅井康太、⑨伊藤旭は単騎を選択する。③佐々木眞也-⑧東龍之介-⑥大塚玲で神奈川ライン、⑦中井俊亮-④三谷竜生きで奈良コンビの細切れ戦。初手は眞杉がスタートを決めて前受けになる。荒井がマークし浅井がこの後を追う(⇐①②・⑨・⑤・③⑧⑥・⑦④)。
そうなれば順繰りに中井が押さえここに浅井、伊藤で続き佐々木がその上を叩き出る。眞杉がそこを一気に仕掛けマーク荒井との直線勝負①=②が大本線。浅井が眞杉に飛び付き①-⑤に中井の先制で三谷へ①-④までが本線になる。
さて妄想の発動といってみようか。
初手の位置取りは同じだが、佐々木が先に切り中井が眞杉を封じ先制を決めたときだよ。単騎の浅井が三谷を追う。最終ホームを⇐⑦④・⑤・⑨・③⑧⑥・①②で通過したら『競輪は番手』ってことになる。三谷が眞杉に合わせバンマクに出る。妄想は三谷から④=⑤で〆にする。だが、果たして眞杉がしくじるのか?ってハナシだ。うーん······厳しいかも!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。