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【女子オールスター競輪】バンクの外から高木真備が感じた、サトミナの圧勝でガールズケイリンの“新時代の幕開け”

2024/08/24 (土) 18:00 38

先日行われた「女子オールスター競輪」はパリ五輪から強行日程の中、佐藤水菜選手が圧巻の走りを見せて完全優勝。元賞金女王の高木真備さんの目にはどう映ったのか…。また、真備さんにとって縁の深い「オールスター」で新たな経験や気付きがあったようです。

高木真備(撮影:北山宏一)

サトミナ圧勝で新たなガールズケイリンの幕開けに

ーー「女子オールスター競輪」は佐藤水菜選手が完全優勝を達成しました。シリーズを通しての感想を聞かせてください。

 五輪帰りの2人の頑張りもそうですし、国内のガールズケイリンを盛り上げ続けていたメンバーの意地もあったかと思います。ただ、とにかく佐藤(水菜)選手、『サトミナが強かったな』って。五輪に向けてしっかりピークを持ってきて、最高の状態まで仕上げてきていた印象で、たくさんトレーニングして五輪まで頑張ってきたんだなと感動しました。

ーー五輪出場組はレース当日に帰国してそのまま競輪場に入る強行日程でした。

 『スタッフのみなさんのサポートのおかげで体の疲れはそれほどでも』というようなコメントを読んだのですが、でもフレームが全然違うじゃないですか。それにもしっかり対応していたのはさすがだなと思いました。

ーー 一方で、国内のガールズケイリンを盛り上げてきた選手にとっては厳しい現実を突きつけられる結果となってしまいました。

 確かに、国内で頑張ってきた選手に向けてネガティブな声も上がっているようです。でも、ある意味これはガールズケイリンが新しく変わっていくチャンスなのかなって思うんです。

女子オールスター競輪で強さを見せつけた佐藤水菜選手(撮影:北山宏一)

ーーどういうことでしょうか。

 今までガールズケイリンは、どこかで大きく動くというか、歴史が変わる瞬間というのが何回かあったと思うんです。例えば私が現役の時だと、児玉碧衣選手が11秒台のまくりを決めた時に「女子で11秒台が出せるのか」ってすごく衝撃的で。当時はみんなそれほど上がりタイムを気にしていなくて、1着を取ることがとにかく大事という感じだったんです。でも女子で11秒台が出た時に、みんなが“私も11秒台を出してみたいな”っていう雰囲気になって、みんなが11秒台を出せるようになって結果的に全体のレベルがすごく上がりました。今回こうやってサトミナがトップクラスのメンバーがそろった中で後続を引き離す圧勝をしたことで、みんなが目指すべきところがさらに高くなって、その結果、また新たなガールズケイリンになっていくんじゃないかとワクワクしています。

 ガールズは男子に比べて人数も少なく、特にトップクラスは同じメンバーと戦うことになります。周りが少しずつ強くなっていてもなかなか気づきにくいですが、こういう衝撃的なことがあった時に大きな変化が起きると思うんです。なのでファンの方には、今回のサトミナ圧勝という結果をネガティブにとらえるのではなく、これから変わっていく過程を見られる“新時代の幕開け”とプラスに考えて、ガールズケイリンの発展を見守っていただければなって思います。

実施する側に立ち選手時代には見えなかった多くの人たち

実施する側としてオールスター競輪を盛り上げた(写真提供:サイトウ写真)

ーー真備さん自身も、今年のオールスターは現場で大活躍されていましたね(笑)

 前検日のインタビューや勝利者インタビュー、式典にも出させてもらったんですが、めちゃくちゃ緊張しました(笑)。女子選手とは話したりインタビューさせてもらったりっていう経験はあったんですけど、男子選手とはあまりそういう接点がなかったので。でもみんな優しく答えて下さってなんとか乗り切れました。

ーー貴重な経験になりましたね。

 本当にいい経験をさせていただきました。もう感謝しかないです(笑)。ほかにも大事なことに気が付くことができたんです。

ーーどういったことでしょうか。

 今回、初めてインタビューや式典に出させていただいたんですが、今までは自分が“やってもらう側”だったのが、“実施する側”に初めて立たせてもらって、こんなに多くの方々が携わっていたんだということを初めて知りました。前日のリハーサルも夜遅くまでやっていたし、カーペットを敷いたりマイクやカメラの位置を調整したりする方もたくさんいて、またその間に場内の掃除をする方や横断幕を張ったりする方も大勢いて。選手だった時には見えなかった人たちの姿を見ることができて『こうやってみんなでつくり上げていたんだな』っていうのをすごく実感しました。オールスター期間中に30歳になったんですけど、20代の最後の最後にこういうことに気付くことができたのはすごく良かったし、気持ちの部分で変化もありました。

 オールスターは私が現役時代に初めてビッグレースに出させてもらった大会で、その翌年にはビッグレースを初優勝できた思い出深い大会です。そんなオールスターで、現役引退後もこういった出合いというか新しい発見をさせてもらえて、本当にありがたいなって感じました。

ーー先ほどご自身でも語っていましたが、8月17日に30歳の誕生日を迎えられました。おめでとうございます! どんな30代にしたいですか。

35歳でもうひとつ新しい施設をつくりたい(撮影:北山宏一)

 ありがとうございます。私は計画を立てるのが好きで、20代になった時は5年計画を立てて「25歳で賞金女王になる」という目標を決めて、そこへ向けての細かい目標を立てて1年1年を過ごしていました。30代では「35歳でもうひとつ新しい施設をつくる」という目標があるので、5年でできるかは難しい部分もあるけど、そこを目指して、そのための準備を1年1年やって30代のうちに実現できればなって思っています。

男子は自力のある選手が単騎の時は狙いたくなる!

ーーあと、読者の方からいくつか質問をいただきました。「真備さんは穴を買う時、どういう選手を狙いますか。また出走表を見る時、どこに注目しますか」

 男子だと、自力のある選手が単騎の時は狙いたくなりますね。あとは何をしてくるのかわからない伊藤旭選手のようなタイプは、ワクワクしながら応援できるので気になります。出走表は…。スタート回数(S)や、自力選手なら逃げとまくりの決まり手の割合はチェックしています。

ーー「真備さんがデザインしたTシャツが欲しいのですがどこで買えますか」という質問もきていました。

 Tシャツはユニクロ系列の「UT」というサイトで「makibi」と小文字で打ち込むと商品のリストが出てきます。「UT ユニクロ makibi」で検索していただければと思います。

「UT ユニクロ makibi」で検索してください!



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高木真備

Takagi Makibi

元ガールズケイリン選手(106期)。2014年に奈良競輪場でデビューし、玉野競輪場で初優勝する。2016年のガールズケイリンコレクションでファン投票1位を獲得して、優勝。同年末にガールズグランプリ初出場を果たす。2020年には、特別競輪ガールズケイリンフェスティバル(いわき平)で完全優勝し、同年のガールズケイリンコレクション(伊東)も優勝した。ガールズケイリングランプリ2021で悲願の優勝を果たし、2022年4月に引退。現在は動物保護活動をしている。

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