アプリ限定 2024/01/26 (金) 15:00 49
「先行1車は買いだ」「初日特選は荒れる」「三分戦はスジで買え」。予測で役立つ競輪格言はあるものの、競馬や相場と比べると、その数はあまりに少ない。競輪ファンにも、もっと多くの“知恵の言葉”が必要ではないでしょうか。netkeirinで過去に公開された記事やコラムから、車券戦術でひらめきが降ってきそうな言葉をいくつか選んでみました。(netkeirin編集部)
競輪場や動画サイトは多くの競輪ファンたちでにぎわいます。しかし、車券を買うときは一人。リスクをとってリターンを得る、勝負の世界は孤独です。そんななか、「格言」が常に寄り添う助言者になってくれれば、と思います。
「地元は3割増し」は有名な競輪格言の一つ。選手が普段お世話になっている地元の競輪場では、いつも以上に頑張って開催を盛り上げる流れや風潮が生まれるというものです。さらに「後ろには自分より強い地元の先輩」がいる場合には、前の選手はとにかく頑張って先行する可能性があります。
競輪をビギナーに分かりやすく伝える活動をしている「ケイリン女子部」の二宮歩美氏は、選手が普段以上のパワーを発揮する要素として「ラインがどこよりも長い」「地元である」「後ろには自分より強い地元の先輩」「3番手にはSS級のトップ選手」などを挙げています。
▶️出典:二宮歩美「競輪初心者でもわかりやすい9車立ての3つ予想のポイント」
元競輪選手で競輪解説者の吉井秀仁氏は1月のコラムで「車券は“期変わり”を意識して」と強調しています。
競輪は前期(1月から6月まで)、後期(7月から12月まで)に分かれており、期変わりは荒れる傾向があります。A級からS級に上がって来て、まだ人気が薄い選手が穴を開けてくれることも。「期変わり」は注目ポイントです。
▶️出典:吉井秀仁「平原康多がこのまま終わるはずがない! 新年のスタートから復活祭か」
予想で迷ったときに役立ちそうな、二宮歩美氏の言葉です。基本的には内枠が有利と言われます。1番車が1番有利に好きな位置を取ることができ、レースを優位に進められる傾向があるからです。
また、9人で走る時に競走得点の低い選手が入ることが多い4・6・8番車(語呂から通称「ヨーロッパ」)。この「ヨーロッパ」が絡むと高配当になると言われています。
▶️出典:二宮歩美「ラインによる競輪予想とは? 車番、ラインのそれぞれの役割とは?」
チャレンジ戦は「初日特選」がないために、初日の全4Rはすべてが予選です。2021年8〜10月、ミッドナイト競輪のチャレンジ予選全レース(対象39開催/156R)を調査したところ、第4Rが「本命(ほぼ1番車)がほぼ1着、負ける場合もマーク選手に差されての2着で、それ以外の車券はナシ」と驚くべき結果に。3連単1番人気はまずまずの信頼度と言えそうです。
なお、8〜10月を調査期間に選んだ理由は、8月を過ぎると、ある程度競走得点が落ち着いてくるからです。1番車=本命のレースが多くなり、秋口までは強い新人の多くがまだ特別昇班できずに残っていることもあります。本誌「ミッドナイト研究所シリーズ」ではミッドは「8〜10月頃にカタいレースが多い」とも報告しています。
▶️出典:ミッドナイト研究所「初日チャレンジ予選・第4Rは本命が鉄板」
本誌「ミッドナイト研究所シリーズ」での言葉。ミッドナイト開催の初日第8R全115レース(※注1)のデータを集計・分析したところ、当レースは2車複の1番人気、2車単・3連単の1・2番人気が高回収率の鉄板レースであることが判明。「ここでしっかり当てて、最終レースで勝負!」といった踏み台的な存在なのかもしれません。
特選直前(第8Rが多い)では、無理に穴を狙うようなことはしない方が賢明と推測しました。2車複の一番人気、2車単と3連単も1番人気と2番人気の買い目を信じる価値はありそうです。
※注1:A級のみ。1-4RがA級、5-9RがS級開催の場合は第3R
▶️出典:ミッドナイト研究所「回収率125%超えの法則も発見! 初日A級戦は特選直前(ラス前)の予選を狙え」
ギャンブルをめぐる秀逸なエッセーを残した詩人・寺山修司は「言葉を友人に持ちたいと思うことがある。それは、旅路の途中でじぶんがたった一人だと言うことに気がついた時にである」(『ポケットに名言を』角川文庫、冒頭より)と語りました。
格言は勝利を保証する公式でも法則でもありません。しかし、勝負に挑む私たちに“ひらめき”をもたらすこともあります。言葉とは良き友でありたいものです。
私たちの“格言”探しの旅は続きます。
netkeirin取材スタッフ
Interview staff
netkeirin取材スタッフがお届けするエンタメコーナー。競輪の面白さをお伝えするため、既成概念を打ち破るコンテンツをお届けします。