2021/05/12 (水) 18:00 7
ガールズケイリンで9連勝中、現在3場所連続完全優勝と勢いに乗る太田りゆ選手。今回は自転車競技の日本代表選手として参加する『2021 UCIネーションズカップ(香港ステージ・5/13〜16)』への意気込みを綴ってくれました。決戦の舞台、香港から今の心境をお届けします!
ネットケイリンの読者の皆さん、今月もこんにちは! 太田りゆです。今、私は香港行きの飛行機に乗っています(もちろん離陸前)。日本代表として『2021 UCIネーションズカップ第2戦』に参戦するためです。先月、予定されていた第1戦はイギリスで開催するはずでしたが、コロナの影響を受けて中止となってしまいました。
国際大会に参加するのは2020年3月にドイツで行われた世界選手権ぶりです。その時の世界選手権は、私にとって東京オリンピックの出場枠をかけたラストチャンスのレースでした。
東京オリンピックに出場するためには、スプリントのポイントがどうしても必要で、どうしてもどうしても必要で、ケイリンのことなんかより、とにかくスプリントのことだけを考えて臨んだレースでした。結果は、必要な分のポイントは獲得できず…。その後のケイリンの成績で私たち日本が獲得した1つの枠を小林優香選手と争わなくてはならない状況になりました。
ケイリンの日、まだレースもしていないのに、私はアップでローラーに乗っているときも涙が止まりませんでした。完全に心が折れる音を聞いた…そんな気がしました。ケイリンの結果はそんな状態ではもちろん惨敗。私の東京オリンピックへの挑戦もあっさりと終わってしまいました。
そこから1年以上がたち、私の中ではたくさんの葛藤とたくさんの覚悟とたくさんの決意が生まれました。目に見えて、タイムも上がり、身体も1年で大きく変わりました。成績も良いものが出てくるようになり、全日本選手権での優勝や、ガールズケイリンでの連勝など嬉しいことが続いています。
世界選手権で負けた日、応援に来てくれていた長迫吉拓選手(東京オリンピック・BMX日本代表に内定)にかけてもらった言葉があります。『人間は嬉しいことや幸せなことがあると、過去に辛かったことを忘れるんだよ。これから成績が良くなっていっても今日の事を忘れちゃだめだ。この悔しさや気持ちを忘れないために何かするべきだよ』
その日から私は、自転車にまたがるどんな場面でも、世界選手権のときの選手パスを肌身離さず持ち歩くようにしています。いつでもあの日の気持ちに戻れるように。あの時の自分にはもう絶対戻らないように。
彼も過去に1度、目指していたオリンピックに手が届かなかった経験がある選手でした。幸いなことに、私の周りには新田祐大選手や、橋本英也選手など、過去にオリンピックに手が届かなかった経験をしたけれど、それでも諦めずに頑張っている選手がたくさんいました。「こういう気持ちはどうしたらいいんだろう…」ってわからなくなるとき、近くに信頼でき相談にも乗ってもらえる先輩や仲間がいて本当に良かったです。いつもありがとうございます!
久しぶりの国際レース、今までにないくらいワクワクしているんです! こんなにワクワクして飛行機に乗ったことなんて、過去にたくさんレースに行ったけどあるかな? ってくらいに( ´꒳`)!
今まで抱えていた「出来ないかもしれない」「またダメかもしれない」っていう考えよりも「出来ないはずがない! 大丈夫! 絶対できる!」と思えています。今の状態が『自信がある』ということなら、私は何年も何年もかけて、やっと自信を持てているのかもしれません(*`・ω・´)
今回のネーションズカップは成長した自分の力試し! とにかく、誰のためでもなく、自分のために、全力で納得するレースをしてきます。その結果として、支えてくれる方へ恩返しをしてきます。パリ五輪までの挑戦の始まりです!! 私を応援してくれている方々には、また長い心労をおかけするかもしれませんが(・∀・)笑笑 これからも熱い応援をよろしくお願いします(`・ω・´)ゞ
大会の結果は良くても悪くても、毎回しっかりとSNSで報告をしています。是非そちらのフォローもよろしくお願いします( *´艸`)
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太田りゆ
Ota Riyu
埼玉県上尾市出身。112期生のガールズケイリン選手。2017年7月、高松競輪場でデビューし初勝利。同開催で完全優勝を成し遂げ、デビューシリーズから大きなインパクトを与えた。また自転車競技選手としてナショナルチームに所属し、数々の国際大会に出場。2019年のワールドカップでケイリン種目で銀メダルを獲得した。2021年の東京五輪にはリザーブ選手として日本代表に選出された。東京五輪終了後はパリ五輪をめざしナショナルチームで活動する一方で、ヨーロッパエリアで開催しているチャンピオンズリーグにも参戦。チームの支援のない状況下で世界の強豪を相手に戦い抜いた。2022年、2023年とアジア選手権スプリント種目で金メダルを獲得し連覇を果たしている。そして2024年、日本代表選手に選出され、パリ五輪に出場。ケイリン種目では日本人女子歴代最高順位となる9位の成績を残した。パリ五輪終了後に日本代表引退を宣言し、競技を引退。ガールズケイリンに専念することを表明した。趣味はメイクとファッション、ディズニー。パワーの源はコカ・コーラ。