2023/10/05 (木) 12:00 29
熊本競輪場の再開が2024年6月を目処にすると発表され、記念はやっと10月3〜6日に本場で行われる。2016年4月の大地震から…。ようやくのようやくだ。久留米競輪場での代替開催もこれで最後だろう(他に改修とかあれば別だが)。「火の国杯争奪戦in久留米」は6日から4日間のシリーズになる。
地元のS級1班はなんと8人あっせんされ、2班の3人と総勢11人で挑む。なんといってもS班5人という、これもまた強烈なメンバーが揃う。2016年大会の時はあまり“熊本復興”の気運がなかったか、本大会に4人、企画レースに1人という熊本選手の参加…「なんでもっとあっせんしてくれんのか」と唇を噛んだことを思い出す。
新山響平(29歳・青森=107期)、守澤太志(38歳・秋田=96期)、郡司浩平(33歳・神奈川=99期)、古性優作(32歳・大阪=100期)、そして大ケガからの復活となる松浦悠士(33歳=広島=98期)に注目が集まる。彼らとしても、再開となった熊本競輪場に、熊本記念に呼ばれたい、という思いがあるだろう。
来年の10月への機運を高める、重要な開催になる。
中川誠一郎(44歳・熊本=85期)が、また鬼になる。久留米で開催された7回の内、3回優勝している。淡白なレースを魅せることが持ち味でもあるが、この大会だけは絶対にあきらめず、何があってもの気持ちで戦ってきた。
その姿こそが、熊本競輪再開、本当の復興を目指す意志だった。8月西武園競輪の「オールスター競輪(GI)」にファン投票で出場できたこともあり、気持ちは立ち直っている。昨年、崩れてしまった体調に関しても、もう大丈夫だ。
セイイチロウ! と本場で大きな声をかけてほしい。
もちろん、嘉永泰斗(25歳・熊本=113期)もいるので、2人を軸にして九州は躍動をもくろむ。北津留翼(38歳・福岡=90期)の名前があるのも、うれしい。
9日の6Rで行われる「ルーキーシリーズ2023プラス」には熊本から佐藤壮志(20歳・熊本=123期)と半田誠(19歳・熊本=123期)が出場、久留米の梶原海斗(24歳・福岡=123期)もいるので、並びも気になる。
そうだ、並びといえば…。都築巧(23歳・高知=123期)はデビューから勝てる走りに徹し、番手競りもこなしながら、優勝を重ねている。自力で大敗することもあるが、競輪力で挑戦している大物だ。
話題を巻き起こすことは、それだけでも価値がある(あまり低質なのはさすがにダメだと思うが)。都築は、自分らしさ、競輪とは何か、に挑戦しているので素晴らしいと思う。自分勝手ではなくガムシャラ。今のままで突き進んでほしい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。