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前田睦生の感情移入

【ちぎり賞争奪戦】燃えろ!新山響平! 地元の無念は決して忘れない…

2023/09/27 (水) 12:00 29

悔しさにまみれた新山響平

新山響平はすぐに立ち上がる

 9月28日に豊橋競輪の「開設74周年記念 ちぎり賞争奪戦(GIII)」が開幕する。青森の「共同通信社杯(GII)」を終え、新山響平(29歳・青森=107期)が追加で参戦する。古性優作(32歳・大阪=100期)が青森を家事都合で途中欠場し、この豊橋も欠場。追加の選手はできるだけ同格の選手を呼べれば…というところで、新山が追加となった。

 KEIRINグランプリへ向けての選考用賞金獲得額が、青森を終わった時点で9位。毎年、最後の最後まで分からない戦いなので、1円でも、またひとつでも上の順位で「競輪祭(GI)」に入りたい。賞金の思いもあるだろうが、心が「走りたい」と訴えていたのではないかと思う。

 決勝は素晴らしいレース、仕掛け、熱い走り、ファンが引き込まれるものだった。結果以上に誰もが納得するものだった。だが、場所は地元の青森ーー。どんなにいい走りをしても、優勝でなければ、新山にとって意味がなかった。

 残酷な話だが、レース後、敗戦後の表情にそれは現れていた。

新山響平の崇高なスピリチュアル

笑顔なき卒記優勝だった

 新山を初めて取材したのが107期の卒業記念レースだ。優勝したが、まくりでのもの。先行した吉田拓矢(28歳・茨城=107期)がいて、当時からライバル関係にあった。先行できなかったことに、悔しさを露わにしていたことを思い出す。

 競輪に対する真摯な姿勢が、新山のカッコ良さを生んでいる。北日本の仲間はもちろんだが、青森の二次予選で新山の番手を主張した稲川翔(39歳・大阪=90期)のように「リスペクトしている選手」と、普段は敵になる関係でも、それを口にする選手もいるほどだ。

 GII準優勝は誇らしい成績だが、それなのに“どん底に沈んだ”新山が、この豊橋記念でどんな走りを見せてくれるのか。そして、これから…。

 熱く、見守っていきたい。

深谷知広は凱旋レース

見学に訪れた深谷知広の姿(2011年、豊橋)

 深谷知広(33歳・静岡=96期)の出走もまた、熱い。豊橋は周知の通り、出身地。ナショナルチームに所属した都合もあって静岡に移籍はしたが、豊橋のファンは深谷にくぎ付けだ。

 青森の決勝は番手の仕事をこなし、また爆発的な伸びを発揮して優勝を手にした。ニュー深谷は明らか。その姿を気持ちよく見せてくれるだろう。

 佐藤慎太郎(46歳・福島=78期)は深谷の輝きや新山の悔しさを見て、刺激を受けていることだろう。先頭で戦う選手の華やかさ、また番手選手のシックな情熱。織り交ざる競輪ドラマが、今回も待っている。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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