閉じる
前田睦生の感情移入

【共同通信社杯】期待を集める新山響平のリベンジなるか、問われる…北日本

2023/09/14 (木) 12:00 25

新山響平は何を思う

青森で14年ぶりのビッグレース

 青森競輪場で9月15〜18日に「第39回共同通信社杯(GII)」が開催される。2009年7月に「寬仁親王牌(GI)」が行われてから、14年ぶりの大きな大会だ。一番の期待を集めるのは新山響平(29歳・青森=107期)で、新山が北日本のために頑張ってきたことを考えれば、彼のために一丸となっていい。

 北日本のS班は守澤太志(38歳・秋田=96期)も秋田に競輪場がないので“地元戦”となり、新田祐大(37歳・福島=90期)と佐藤慎太郎(46歳・福島=78期)は格的に北日本はどこでも地元といえる。

 そこで気になるのが、番組の順番だ。初日と2日目は自動番組で構成が決まる。ただし、レース番号は番組編成委員が決めるので、『誰が12Rに置かれるのか』が大事だ。
 脇本雄太(34歳・福井=94期)と松浦悠士(32歳・広島=98期)がケガのため欠場なので、新山なのか、点数最上位の古性優作(32歳・大阪=100期)なのか、勢いのある関東で平原康多(41歳・埼玉=87期)なのか、共同男・郡司浩平(33歳・神奈川=99期)なのか…。

 当コラムがアップされる頃には発表になっているだろう。そのレース番号を見て新山がどんな顔をしていたのか、その反応に関しては、現地記者の取材を待とう。

関東復権の今、北日本で抵抗を

関東復権!元気な眞杉匠(左)と復活目指す平原康多

 今節は北日本の意志を示す大きな戦いでもある。西武園の「オールスター競輪(GI)、立川記念(GIII)と関東2段駆けが決まり、眞杉匠(24歳・栃木=113期)、森田優弥(25歳・埼玉=113期)がそれぞれ優勝を手にした。

 立川記念の決勝では新山と守澤が北日本2車。さすがに関東5車に対して、なすすべがなかった。「今回は北が」の思いは強いだろう。数多く決勝に北日本の選手を乗せることも重要だ。

 他地区の強豪も揃うので容易なことではないものの、新山を盛り立てるのが北日本の総意と示したいところだろう。

 また復活待たれる平原だが「今回のは結構面倒で…」と股関節のグロインペイン症候群に悩まされている。「休んで治すか、と言われても、走っていかないと」。いきなりの急復調ではなく、しみじみ今は関東での戦いにいそしみ、体と心に復活のエネルギーをため、年末に向かってほしい。

結束か、割り切って勝負か

三谷将太はいつでもどこでも燃えている

 結束が主流の競輪ではあるが、2016年の青森記念決勝は印象的だった。
 近畿勢が6人決勝に進出し、2人ずつ3つのラインに分かれることになった。レースはその3つのラインがやり合う感じになり、新田がまくった上を深谷知広(33歳・静岡=96期)が直線伸びて優勝した。

 立川記念最終日の1着で復活をアピールした三谷将太(37歳・奈良=92期)もそのレースにいて、清々しくも悔しい顔で「近畿で下位独占ですわ」と話していたのを思い出す。近畿の競輪の特色の一つで、別線になった時にはいつも以上に自分のレースで、普段は仲間として走る選手にぶつかっていくことがある。

 結束も競輪、別線勝負も競輪。共同通信社杯は選考基準の特殊性から若手の自力選手が多く参加する。自動番組も相まって、どんな構成になっていくのか。並ぶの?並ばないの?

 一つひとつのレースを、楽しみにしよう。


X(Twitter)でも競輪のこぼれ話をツイート中
▼前田睦生記者のXはこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

前田睦生の感情移入

前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

閉じる

前田睦生コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票