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鈴木誠のハイブリッド展望

【全プロ記念競輪予想】5車がSPR賞に乗ってきた近畿は、脇本と古性がそれぞれ別線を選択! 2車となっても脇本のスピードは変わらない!

2023/05/28 (日) 12:00 9

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は富山競輪場で開催されている全プロ記念競輪「スーパープロピストレーサー賞」のレース展望です。

穴を出すのは番手捲りの新田と、その後ろからチャンスをうかがう浅井!

 今年の【全プロ記念競輪】は富山競輪場での開催となっています。その開催の後に行われているのが4年ぶりに開催される【全日本プロ選手権自転車競技大会】です。

 今を遡ること1986年にも同じ富山競輪場で【全日本プロ選手権自転車競技大会】が開催されたのですが、自分はポイントレース(決められたポイント周回の上位入着者に対して、点数が加算されていく競技)で優勝したのを思い出しました。

 その時のポイントレースには40人近くが出場。確か70週ほどバンクを周回し続けました。優勝の喜びよりも、疲労感の方が大きかったので、あまり思い出したくなかったのかもしれません(笑)。【全プロ記念競輪】はFIIグレードの大会ながらも、S級S班の6名をはじめ、平均競走得点の上位者といったGIばりの実力者が揃いました。

 2日間の大会ではありますが、競輪の決勝に当たるスーパープロピストレーサー賞の賞金は選手たちにとって魅力があります。その一方で月曜日からの大会を考えると、ここで落車するわけにもいかないという心理も働いてきます。

 しかも【全日本プロ選手権自転車競技大会】の競技で優秀な成績を残すと、【寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント】への出場が決まります。

 こうなると競り合いを避けて、タテ脚で勝負をしたいとの気持ちも生まれてきます。それが一日目のレースで、筋違いでの決着が多かった結果として現れたのかもしれません。

 スーパープロピストレーサー賞に進んできた9名ですが、なんとその中の5名が近畿ラインとなりました。

 別線もやむなしかなとは思っていましたが、脇本選手と古性選手が分かれたことには驚きました。これは古性選手は同地区である稲川選手がいたことや、脇本選手と山田選手が初日の優秀戦でも連携していたからでしょう。

 別線となった近畿ラインは脇本選手-山田選手に、古性選手-稲川選手-東口選手。北日本ラインは新山選手-新田選手で、松浦選手と浅井選手は単騎となりました。

 この中で中心となるのが、優秀戦では後方7番手からの上がりタイムが9.0秒という、とんでもない捲りを放った脇本選手です。

 1番車となったスーパープロピストレーサー賞では、前を取りに行くはずですが、車番的にも7番手となりそうな古性選手が抑えに行ったとき、中段で控えていた新山選手が先行態勢に入るはずです。

 先行した北日本ラインの後ろには単騎の浅井選手がいると思いますが、4番手となった古性選手は、脇本選手とのスピード勝負では敵わないのを分かっているだけに、先捲りを仕掛けてくると見ています。

 その展開になったとしても、脇本選手がその上を捲っていくかとなりますが、展開的に面白そうなのは、先行した新山選手の後ろから番手捲りをしてくる新田選手だと思います。

 もう1人、高配当をもたらしてくれそうなのが単騎の浅井選手です。新田選手との裏表で決まる可能性もあるどころか、もし、脇本選手の捲りが届かなかったことも考えて、3着候補を手広く買っておくべきでしょう。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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