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鈴木誠のハイブリッド展望

【ワンダーランドカップ予想】先行争いを制するのは関東ライン! 山田の番手から抜け出した眞杉が、地元記念で優勝を果たす!/鈴木誠の展望

2023/05/21 (日) 12:00 7

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は宇都宮競輪場で開催されているワンダーランドカップの決勝レース展望です。

通算900勝にリーチ! 8レースに出走する神山(雄)の走りにも注目!

【ワンダーランドカップ】が開催されている宇都宮競輪場を含めて、500バンクは全国に3カ所あります。

 その中でも上がりタイムにも証明されているように、宇都宮競輪場の500バンクは時計が出るだけでなく、現役時の印象としても「軽い」印象がありました。

 そして直線の長さもあってか、ライン違いの決まり手も多く、今大会も高配当の車券が多く出ていました。それを演出していたと言えるのが、決勝にも進んできた眞杉選手といった若手の先行選手たちです。

 この3日間を振り返っても、先行したラインが優勢となっているだけでなく、先行した選手のスピードに乗る形で、番手捲りをした選手がその勢いのままに、他のラインの追撃を振り切っていました。

 この決勝は三分戦となりましたが、二段駆けがありそうなのが、関東ラインの山田選手-眞杉選手-佐々木(悠)選手と、中四国ラインの久田選手-松浦選手ー岩津選手です。

 混成ラインとなったのは、浅井選手-内藤選手-佐々木(雄)選手。浅井選手は内藤選手と連係実績もあるだけでなく、佐々木(雄)選手も他のラインに割り込んでいくよりも、ここは2人の後ろを回った方が勝負ができると見たのでしょう。

 先ほども書いたようにこのバンクは先行ラインが有利かつ、そこから番手捲りをしてくる選手が優勝に近いと言えます。この並びと車番を見た時に、それを遂行できそうなのが関東ラインだと思いました。

 まずは、1番車に眞杉選手が入ったのが大きいと言えます。スムーズにスタートを切れたのならば、関東ラインの前受けは間違いなさそうです。

 車番的に7番手となりそうな久田選手が山田選手を抑えに行ったとしても、山田選手は一歩も引かないでしょうし、むしろ突っ張り先行をしてくるはずです。

 久田選手は山田選手に突っ張られた場合、また元の7番手に戻らざるを得ません。それでも先行争いを繰り広げていくかですが、この2人の争いでは、スピードで勝る山田選手に軍配が上がります。

 この展開となれば山田選手のスピードをもらっている、番手の眞杉選手の捲り頃となります。ただ、山田選手が思ったよりも早く失速していくようだと、眞杉選手の仕掛けるタイミングも早くなります。そうなれば、後ろの佐々木(悠)選手の逆転もあり得ます。

 一方、関東ラインと中四国ラインが長くやり合えばやり合うほど、捲りを狙っている浅井選手にとっては、願っても無い展開となるでしょう。

 浅井選手は宇都宮競輪場での記念大会を2勝と、このバンクを得意としています。それは捲りの脚にも表れているように、中長距離を長くもがける脚質が、適性の高さともなっているのでしょう。

 今大会を見ても捲りの脚は健在ですが、それでも関東ラインに先行されたのならば、それ以上のスピードで捲り切るのは難しいかもしれません。

 この決勝では唯一のSS班となった松浦選手は、この3日間の走りを見ても、決して本調子ではないと思います。ただ、この決勝のように番手捲りが臨める展開となれば、勝負勘とレースセンスの良さで、上位に食い込むのは可能なはずです。

 決勝の車券は眞杉選手と佐々木選手を中心に狙っていきますが、そこに絡んでくるのは浅井選手、そして松浦選手だと思います。

 今大会も残り1日となりましたが、個人的には神山(雄)選手の900勝を、地元で達成できるかに注目しています。

 神山(雄)選手は4日目の8レースに出走しますが、橋本選手という絶好の目標があるだけに、ここで決めてもらいたいです。

 そして、決勝には進めなかったものの、連日に渡って、見ごたえのあるレースをしているのが新山選手です。

 準決勝こそ持ち味を発揮できなかったものの、二次予選では突っ張り先行から逃げ切ったように、状態の良さと思い切りの良さが噛み合っています。

 新山選手は4日目の11レースの特秀に出走しますが、ここでも思い切ったレースを見せてくれるはずです。「ウマい車券」には自分の予想もアップしてあるので、ここでしっかりと軍資金を稼いで、決勝に臨んでみてはいかがでしょうか。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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