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前田睦生の感情移入

【五稜郭杯争奪戦】悔しさ爆発の新田祐大、そして犬伏湧也、嘉永泰斗はあの場所へたどり着けるか

2023/05/12 (金) 12:00 25

新田祐大がパワーを炸裂させる

悔しさをあらわにした

 函館競輪の「開設73周年記念 五稜郭杯争奪戦(GIII)」が13日に開幕する。S班であっせんのあった郡司浩平(32歳・神奈川=99期)は肩甲骨骨折、守澤太志(37歳・秋田=96期)は頸椎骨折で欠場になる。ともに平塚ダービーの準決で落車してしまった。

 S班は1人、新田祐大(37歳・福島=90期)になる。ダービーを二次予選で敗退し、悔しさをあらわにしていた。「状態は良かった。やるべきことをやれなかった」と特選と二次予選で仕掛けのポイントをつかめなかったことに、体を震わせていた。

 後半の2走は1着、2着。自分自身を取り戻すべく、攻め立てた。責任感を誰よりも感じるタイプで、しかも北日本地区の記念だ。構えず、後半の動きで函館を盛り上げる。

嘉永泰斗はひとつ上へ

嘉永泰斗はもうひとつ上へ

 新田の最終日2着の時の1着が嘉永泰斗(25歳・熊本=113期)だ。ダービー最終日の優秀戦でも“普通”に勝てることを証明した。一次予選の先行から、GIの決勝に上がる男、のムードはできていた。

 二次予選は強力南関ラインや構成に屈したものの、それを打開していく一年になる。不屈の闘志は燃え盛るばかり。“記念では決勝を外さない”がカギになる。

 競走得点的に、特選シードが続いていく。記念の特選と決勝のメンバーは、常に強烈。この場所で戦い続けることがGIにつながる。そこにいることを普通にして、勝つことも普通にしていければ、あとはチャンスしかない。

犬伏湧也がたどり着くところ

犬伏湧也は本物だ

 犬伏湧也は(27歳・徳島=119期)は昨年7月玉野競輪の「サマーナイトフェスティバル(GII)」での決勝進出。そして前回、平塚ダービーでGI決勝にも勝ち上がった。GIIIはすでに3月大垣で優勝している。

 今回はあの場所にたどり着けるか、大きなシリーズになる。
 あの場所とは、「犬伏がGIを勝つ」と誰しもに思わせる、その場所だ。すでにダービー決勝の走りで、多くの人に知らしめたかと思う。

 つまり、今の勢いで、問題なく優勝することができれば…がある。強敵は揃っても、犬伏がキテいる。このことを満天下に…。時代をつかむことすらできる。デビュー前から徳島の選手たちが「犬伏はすごいですよ」と口を揃えていた。あっという間に上位に定着し、その先へ。

 犬伏と同期の吉田有希(21歳・茨城=119期)も強く刺激を受けていることだろう。時代を変えていく若手たちと、踏ん張りたい上位選手のせめぎ合いが、今シリーズの見どころになる。

吉田有希はかわいい


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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