2023/01/29 (日) 12:00 7
現役時代はKEIRINグランプリを優勝するなどトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は豊橋競輪場で開催されているちぎり賞争奪戦の決勝レース展望です。
イベントの仕事で豊橋競輪場に来ています。数年前から記念競輪が開催される際には、競輪場に呼んでもらっていますが、2020年の全日本選抜競輪では、自分のようなOBを集めたレースでもやるのかなと思っていたところ、「レジェンド&OB歌合戦」というまさかの企画でした(笑)。
正直、出演を悩んだのですが、来場していただいたファンの方が喜んでくれるのならと開き直りました。松平健さんの代表曲であるマツケンサンバを衣装を着て歌っただけでなく、サビの部分を「マコチャンサンバ」に変えたところ、その努力を認めてもらえたのか、ベストパフォーマンス賞をいただきました。
今年は豊橋競輪場のYouTubeチャンネル内で、「おやじレジェンド ガチンコ車券バトル」として、自分と本田晴美さんとの「チームSAY」、山田裕仁さんと有坂直樹さんとの「チームTEI-BAN」とで車券対決を行っています。
準決勝が行われた3日目には「チームSAY」が負けてしまったのですが、その際、自分はとんでもない罰ゲームに遭わされました…。
その準決勝ですが、3レース中2レースで落車が起こるなど波乱の展開が続きました。その結果、SS班の松浦選手と守澤選手が敗退しています。その一方で力の違いをみせつけていたのが、昨年のグランプリ覇者である脇本選手です。
準決勝では最終バック前から動き出していくと、そのタイミングに合わせて捲ってきた、坂井選手を乗り越えていっての勝利。ちなみに脇本選手ですが、初日特選での上がりタイムが11秒3。そして、2日目の二次予選と3日目の準決勝の上がりタイムが11秒2という、とんでもない時計を記録しています。
決勝に進んできた自力型のメンバーとの比較でも坂井選手が11秒8、山口選手が11秒9であるだけに、まさに今大会は脇本選手の独壇場となっています。
しかも、決勝で番手を回る古性選手も初日からの内容や、上がりタイムともに盤石のレースを見せているだけに、決勝メンバーを見た時には近畿の2人で仕方ないなと思いました。
決勝の並びですが、先ほども書いたように近畿ラインが脇本選手-古性選手。中四国ラインが片岡選手-岩津選手-池田選手。中部ラインが山口選手-小堺選手。関東ラインが坂井選手-久木原選手となりました。
徹底先行をする選手も見受けられない中、車番的にも脇本選手が前受けをすると見ています。その後が中四国ライン、中部ライン、関東ラインで周回は進んでいきそうですが、坂井選手が抑えに行ったときに、脇本選手は後方まで車を下げるはずです。
先行体制に入った関東ラインの後ろは中部ラインとなりますが、脇本選手が8番手まで下げたのを見てから、片岡選手が一気に発進。その後ろから坂井選手、山口選手が先捲りを狙っていきますが、準決勝と同じようにその上を脇本選手は捲っていくはずです。
脇本選手のスピードからしても、完全優勝は濃厚だと思います。2着は古性選手で、あとは3着探しのレースとなりますが、ここは配当も安そうなだけに点数を絞りたいところです。
YouTubeの番組内でも決勝における4人の見解は一緒でした。その決勝が堅く収まりそうなことを考えると、12レースまでにどれだけ的中させるかの勝負となりそうです。各レースごとに予想も披露していきますので、これをお読みの皆さんもご視聴いただくだけでなく、「チームSAY」への応援もよろしくお願いします。
鈴木誠
千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。