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前田睦生の感情移入

【和歌山グランプリ】脇本雄太と古性優作の最強タッグ、恒例の“近畿ガチンコ別線”になるか?

2023/01/11 (水) 12:00 23

ワッキーが今年も王者の走りを見せる

今年も脇本雄太と古性優作が制圧するのか

 1月12〜15日に和歌山競輪の「開設73周年記念 和歌山グランプリ(GIII)」が開催される。昨年の「KEIRINグランプリ2022」を制した脇本雄太(33歳・福井=94期)と2着に続いた古性優作(31歳・大阪=100期)の近畿コンビが登場。立川記念を勝った新田祐大(36歳・福島=90期)、守澤太志(37歳・秋田=96期)に松浦悠士(32歳・広島=98期)とS班が5人、出場する。

 そして深谷知広(33歳・静岡=96期)が追加で入り、激戦の度合いを増す。直近4カ月の競走得点が112・11の真杉匠(23歳・栃木=113期)が初日特選から漏れそうという、レベルの高さだ。立川記念の初日特選もすごかったが、もうほとんどグランプリ…なのだ。昨年のタイトル争いは脇本がグランプリとダービー、オールスター、古性が全日本選抜と高松宮記念杯をゲット。今年は…に注目が集まる。

 1月の冷たい風が吹き、雪が舞い散るイメージがある和歌山記念だが、今年は穏やかな天候に恵まれそう。ワッキーの爆裂走を今年もいきなり楽しめる。和歌山はみかんの産地だが、本場のゲストにはりんごちゃんが呼ばれているそうだ(15日)。みかんやりんごを食べて栄養を補給しながら、見ていきたい。

地元勢とはどうする?

古性優作はより激しく進化する

 地元和歌山所属の選手は10人があっせんされ、大所帯を成す。脇本、古性と近畿連係しつつも、勝ち上がりの状況によっては恒例の“近畿ガチンコ別線”もありそうだ。近畿の歴史の一部ともいえるのが、別線になった時も、もがき合いだ。

 別線になったとはいえ、片方が先頭に立った後、もう一つのラインを出すのかな…という流れになった時、ほぼ突っ張ってもがき合う。近畿の中における先行での地位を見せ付けんばかりに、やり合うケースが多かった。

 村上義弘さん(73期=引退)と市田佳寿浩さん(76期=引退)が魅せてきたものがある。2016年の青森記念決勝は近畿6人が勝ち上がって3つのラインに分かれた。この時は先行争いではないが、中井太祐(33歳・奈良=97期)が逃げて3番手を古性と山田久徳(35歳・京都=93期)がバキバキに取り合うレースになった。結果、近畿勢は4〜9着。近畿別線だからこそ、いつも以上にガチ、が今回もあるのか…。

今年GI初優勝しそうなのは…

守澤太志は今年、悲願達成なるか

 新しい年が始まって気になるのは、「この一年、誰がGI初優勝するのか」だ。若者の筆頭では眞杉だろう。それだけに、今回のメンバーで結果を残せるのかは試金石となる。また、守澤…。

 昨年のグランプリは失格という結果に終わった。残り1周の地点。成田和也(43歳・福島=88期)に守澤の動きを聞いてみた。
「相当スピードが上がっている中、よく追い上げたと思いますよ。やっぱり、さすがです」。

松浦にかく乱されてラインを分断された後の動き。「あれで脇本がやりやすくなる面もあるとは思うけど、でも、追い上げるんですよね」と守澤の意地を見たようだ。

 優しい笑顔とは裏腹の過酷な競輪人生を歩む男だ。GI優勝はまだない。もはや因縁ともいえる近畿コンビと松浦がいる開催。新田と力を合わせ、また北日本の力を武器に「今年こそ守澤が」のインパクトを与えてくれるだろうか。

 九州からは山田英明(39歳・佐賀=89期)の新年初戦にもなる。「あきらめてなんかいませんよ」。昨年後半は弟・庸平(35歳・佐賀=94期)を応援しながらも、絶対にもう一度GⅠ決勝へ、そしてその先へを思い続けてきた。

 泥にまみれ続ける苦労人の一年にも大いに期待しよう。

山田英明もあきらめていない


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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