2021/03/30 (火) 12:00 16
前回のコラムでは競輪の漫画、小説、映画に少し触れたが、世の中あまりにも少ないのが実状だ。テレビゲームではスーパーファミコンで「競輪王」「スーパー競輪」というものがあった。しかし、その後は聞かない…。
今、ファンが求めるのは競輪選手育成型のゲームだろう。多くのファンにとって自分が選手になることはもはや不可能に近い。しかし、ゲームで選手を育てていく楽しみはあってよい。競馬のゲームにハマった方も多いだろう。私もかつて「ダービースタリオン3」をやっていて、「ムツゴロウオーコク」という馬でGⅢを初めて勝った時の感動は今でも忘れられない。
もちろん「競輪王」も「スーパー競輪」もやったが、今なお、満たされない思いがある。プレイステーションの「バーチャル競艇」は面白かった。
旅館でトランプやUNOに興じることもなくなった。競輪のカードゲームはすぐできるんじゃないかと思う。競輪の基本は3分戦。3人で対戦する形式で、自力、番手、3番手のカードを持つ。それぞれに、タテ脚・ヨコの仕事・必殺技(小野俊之のブロック、など)を設定し、サイコロで発生条件に該当すれば発動。初手の位置取りから、逃げるライン、中団、などを簡単にサイコロを振って進行させていく。
これはシンプルに“1着を取ったラインの勝ち”でよいだろう。ガールズケイリンのスロットがあるように、売り出し方を広げてほしいと思う。競輪グッズも、より趣向を凝らして売り出していいだろう。
別に個人的な趣味や願望で書いているわけではない。
厳しい書き方になるが競輪は今の世の中において、ほとんどの一般の人には知られていないのが現実だ。野球やサッカー、競馬を楽しんでいる人数に比べれば、ごく少数と思う。
ファンとして20年以上、記者として15年ほど競輪に接している者として、無念の限り。よほど野球やサッカーに負けない競技性、面白さがあると思うので、ただただもっと多くの人に知ってもらいたいと感じている。
競輪の中期計画では、地域に根差していく戦略も書き込まれており、非常に重要だ。とにかくいろんな手を打つ、知らない人たちに知ってもらう機会を設けることが求められている。
新型コロナウイルスの影響はまだまだ続いている。今年中にファンが本場に戻ってこれるのかどうかも未知だ。そんな中、2022年度のビッグレースの開催場が発表された。いわきダービーや西武園オールスター、また高知での全日本選抜…。コロナ禍の終息が前提だが、ビッグレースを中心に本場に来てくれたファンへの特典を設け、それぞれの競輪場の特色をアピールしてほしい。
全部のビッグレースを見に行くのはファンにとっては至難。だが2つ、3つと来てくれれば、特典が増すような…。そんなサービスの提供を願っている。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。