アプリ限定 2022/11/16 (水) 18:00 7
いよいよ22日から「第64回朝日新聞社杯競輪祭(GI)」が小倉競輪場で開催されます。そこで、この歴史ある大会の名勝負、名シーンを競輪記者たちに熱く語ってもらい、当時のレース映像とともに全5回に渡りお届けします。記憶に残る競輪名勝負の数々を読めばもっと競輪が好きになる!?
2017年のウィナーズカップでG2初制覇を遂げると着実に成長を続け神奈川を代表する選手に育っていった郡司浩平。19年には賞金で初のGP出場を決め、そして遂にこの20年競輪祭にてG1を制した。
郡司と言えば南関東を引っ張ってきた機動型。個人的に思い出に残っているレースは17年の奈良記念で根田空史を連れて全開で逃げたレースや、18年の伊東記念では地元のエース、渡邉雄太のG3Vに貢献したりと男気溢れる走りを各地で披露し続けてきた。そんな男が報われたのがこの年の競輪祭だった。
初日は5番手を取って1センターからのロング捲りで完勝。2走目は先行ラインを出して3番手確保。頭までは届かなかったものの、伸びは良く2着。3走目は突っ張って駆けた松井宏佑のハコからバック番手捲り。準決は追い上げて5番手を奪い取り2角手前の捲りで前団を突破。文句なしの動きで抜群の存在感を示していた。
そんな中で迎えた決勝戦は後輩・松井宏佑の番手だった。松井は郡司を男にすべく気合マックスの運行で郡司のG1初Vに貢献したのだ。
決勝戦のライン構成は
④松井宏佑-⑨郡司浩平-⑦和田健太郎
①新田祐大
②古性優作-⑧稲川翔
⑥鈴木庸之-③平原康多-⑤諸橋愛
レースが始まると南関ラインは後ろ攻めを選択。赤板で古性優作が斬った上を松井が一気に仕掛けると一切緩めず、そのまま全開の逃げを打つ。この時3番手を固めていた和田はダッシュに離れてしまい、郡司の後ろには古性が入った。郡司は2角手前で番手捲りを放つ。不発の鈴木を捨てた平原もものすごい勢いで外を迫ってくる。それでも郡司が後輩の頑張りに応えるようにゴール線を駆け抜け、この瞬間見事にG1ウィナーの仲間入りを果たした。
レース後の松井は「キツかったけど、郡司さんが勝ってくれたので。嬉しいです」と歓喜の言葉。松井にとって郡司は兄貴分のような存在で、自分のことのように嬉しかったはず。ラインの絆で勝ち取ったこの一勝は特別で、競輪の良さが全面に出たレースだった。
S班として1年目の年にタイトルを獲った郡司。これで翌年も赤いパンツを履いて地元川崎の全日選に出場。結果的に2個目のG1タイトルを獲得し、更に勢いを加速していった。誰もが認める超一流・郡司浩平のキッカケになったこの競輪祭。今年も思い入れのある大会で大暴れに期待したい。
■熱き走りを映像で堪能しよう
(提供:公益財団法人JKA)
netkeirin取材スタッフ
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