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前田睦生の感情移入

【東京五輪テストイベント】開催へ! 選手たちの願いとひたむきさ

2021/03/06 (土) 12:00 10

自転車競技の迫る躍動感はエクセレント!

Ready Steady Tokyo Event(Operational test)

 4月24、25日の2日間、東京五輪の自転車競技トラック種目のテストイベントが開催地の伊豆で行われる。そもそも“開催ができるのか…”とモヤモヤするところだが、開催する準備を進めることで、「開催できる! 」へとつながっていくだろう。

 このテストイベントは、本番を想定した流れで進行される。走る選手たちも同様で、もちろん代表選手にとっても本番で結果を出すための重要な大会。また、これから先を担う若手にとっても大事なアピールの場となる。寺崎浩平(27歳・福井=117期)は「自分はネイションズカップとかの国際大会には出られない。テストイベントが重要です」と全精力をかけて、アピールすると意気込んでいる。

 コロナ禍にあり、大会自体がほとんど開催されていないので、チャンスは少ない。パリ五輪を目指すメンバーは、それぞれがすでに正念場だ。「確実に成長できている実感がある」という寺崎のように、各選手が成長した姿を見せ、素晴らしい記録やレースが生まれることに期待したい。

代表選手にとって緊張のシリーズ

気が滅入る日々を送っていても橋本英也が元気を与えてくれる

 2020年11月に前橋で開催された「第89回全日本自転車競技選手権大会トラック・レース」では、深谷知広(31歳・静岡=96期)が大活躍。スプリント、ケイリンの2冠(チームスプリントもアクシデントがなければ、ほぼ優勝…)と存在感を示した。代表組の新田祐大(35歳・福島=90期)や脇本雄太(31歳・福井=94期)は、“勝つこと”とは違うものが求められていた大会。結果こそ良くなかったが、五輪への大事なステップだった。

 小林優香(27歳・福岡=106期)は同時期、精神的に落ち込んでしまい、練習ができていなかった。テストイベントでは、優香らしい、パワフルな走りが見られるだろう。

 橋本英也(27歳・岐阜=113期)、梶原悠未(23歳・筑波大学大学院)はオムニアムをともに優勝。勝ち方にこだわる2人なので、このテストイベントでも、より上を目指す走り、また見ている人たちが何を感じるか、を意識して攻めるだろう。

何よりも注目は、優香!

小林優香はガールズケイリン界の希望

 当コラムの写真は4枚とも2019年8月にJKA250で開催された「ジャパントラックカップ」の時のものだ。普通に取材できたことが、どれだけ価値のあることだったのかを思い知る…。

 このテストイベントで一番気になり楽しみなのは、優香の走りだ。
2020年気落ちした時は、ブノワコーチも相当なショックを受けていたようだ。だが、ブノワは2020年11月に前橋で行われた全日本トラックを見て、復活を確信していた。

 その後、小倉で開催された競輪祭の時に、優香を何度も心配そうな目で見ていたら、「もう大丈夫やけん! 」とショボくれたオッサンに笑いかけてくれた。

 ガールズケイリンの選手が五輪で結果を出す。
日本中、いや、世界中に「ガールズケイリンというすごいものがある」と知らしめてくれる。これは、創生当初からのみなの願いだ。

 優香は我々の光。復活の姿を持って、東京五輪への期待、そして「開催できる! 開催するんだ! 」と多くの人に伝えてくれるだろう。

とにかくみんなの笑顔が見たい


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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