2022/09/07 (水) 12:00 40
9月8日に青森競輪の「開設73周年記念 みちのく記念 善知鳥争奪戦(GIII)」が開幕する。競輪界大注目の中野慎詞(23歳・岩手=121期)がグレードレースに初出場。9車立ても初めてで、早期卒業して2022年1月デビューからの27連勝をさらに伸ばすことができるのか、興味津々だ。
持っている力、タイムは新田祐大(36歳・福島=90期)や深谷知広(32歳・静岡=96期)と早くに同等だった。あとは…だが、そんなに不安はないと思う。
精神面と頭脳の冷静さが武器でもある。早大時代からナショナルチーム入りして、すでに競輪のトップ選手と長く密に接している。まだアマチュアの時に取材することができたが、すでにかなりしっかりしていた。明晰だった。
守澤太志(37歳・秋田=96期)は小田原記念の最終日に、青森記念についてすごく楽しみにしていた。「絶対にどこかで連係できると思うんで」と中野と走るレースを心待ちにしていた。ファンもそうだっただろうし、
ただし、これは仕方がない…。
守澤が話していたので印象的だったのは「自分に抜かせないくらいの選手であってほしい。S班の選手が抜けなかったら、どんなにすごい選手なんだと! 」。無論、全力で抜きに行く構えでも、それでも押し切るくらいのものをファンに見せることができたら…、そんな勝負ができたら…と思っていたのだ。
静岡に練習拠点を置いている守澤なので「練習は一緒ではないですけど、プライベートで会うことがありますね。礼儀正しくてしっかりしてますよ」と中野のことは知っている。
そして「そういえば、最初はキョウヘイ(新山響平)もそうだったな。キョウヘイは1ヶ月くらいで…」。
守澤は自力を出しても強い選手だが、追い込み選手なのは違いない。「キョウヘイは抜くでしょう」。自力同士なら、それも新山響平(28歳・青森=107期)クラスなら、抜かないとおかしい。また、新山が抜くシーン、というドラマも青森にはある。
“30の壁?”と感じるのは一次予選、二次予選では番組構成的に追い込み選手が後ろになりそうで、その形なら28、29と積み上げられそう。準決でもしかしたら新山、または自力のある北日本の選手と一緒かも…。そうなると、容易ではない。
北日本内の勝負に注目しているが、郡司浩平(32歳・神奈川=96期)、追加の清水裕友(27歳・山口=105期)も意識するだろう。連勝記録はともかく、
郡司「俺も、強い選手のはずなんだけど…。松浦ばっかり目立って、もう…」。
清水「負けられんっしょ」。
こんな風に口に出す性格ではないが、郡司は踏ん張りどころだし、清水も“長州の志士ここにあり”を今一度思い起こさせたいシリーズになる。
しかし、青森の直線、長いんだよな…。もしかして初日に横を見ながら差しちゃう追い込み選手がいるのかも…。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。