中学時代にジュニアオリンピックで優勝経験もある日吉克実候補生は、陸上競技選手として活躍していた。先日、陸上競技オリンピック代表選手である桐生祥秀選手との50m走対決がテレビ番組で放映されたこともあり、デビュー前から注目を集めている。

ーー陸上競技選手から競輪選手を目指そうと思ったきっかけはなんですか？

　脚の故障で陸上競技を続けることが難しくなってしまって。ですが、まだまだ体を動かしたいという気持ちが強くありました。

　競輪選手養成所が、僕の生まれ育った静岡県伊豆修善寺にあったという経緯もあり、東京にあった拠点から実家に戻って、競輪選手を目指そうと思いました。

ーー適性試験に向けて練習を始めたのはいつごろからでしょうか。また、練習中に苦労されたことはありますか？

　過去に2回技能試験を受けて不合格となってしまい、年齢的なことも考えて両親からは、「もうそろそろ厳しいんじゃないか」と言われたんですけど、諦めきれずに最後適性で1回ならという話で挑戦しました。なので、適性試験の準備は1年足らずぐらいです。

　練習積んでいってもあまり数値に変化がない時期が少し続いたので、そこはかなり苦しかったですね。

◆桐生が驚くような選手になれたら

ーー先日放映された「Going! Sports&News」(日テレ系列)では、陸上競技時代のライバルで日本初の9秒台を出した桐生祥秀選手と50m対決しました。一緒に走った感想はいかがでしたか？

　桐生は陸上の実績では手の届かない位置に行ってしまって、僕からしても陸上界のスーパースター。50mという短い距離で短い時間でしたけど、最後に一緒に走れて本当に幸せでした。

ーー桐生選手からメッセージはありましたか？

　1年間頑張って来いよ、と。僕がここを無事に卒業してデビューした際には応援に来てくれると言ってくれたので、桐生が見たときに驚いてもらえるような選手になりたいと思っています。

ーーご親戚に、研ナオコさんがいらっしゃるそうですね。日吉候補生から見て、研さんはどんな方ですか？

　陸上をやっていた時にナオコさんの所属事務所でお世話になっていたので、養成所に合格したことは、社長、ナオコさんを含めみんなに報告させていただきました。

　ナオコさんは、もうほんとに、優しいですよ。陸上やっているときからずっと僕のこと応援してくれて、ずっと支えてくれて、どんな時も僕の味方でいてくれたので心強かったですね。

ーー最後に、養成所生活への意気込みをお願いいたします。

　陸上競技での実績もあり、話題ばかり先行してしまっていて、ちょっとそこはプレッシャーを感じていますけれど、まずはプロデビューできればなと思います。

　もうすぐ控えている第1回記録会は卒業認定タイムの対象外ですが、クリアしていないと精神的にも余裕がなくなったりするので、まずはタイムをクリアし、そこから自分に足りないものを見つけて補っていきたいと思います。

　話題性を生かし、競輪界を盛り上げてくれそうな日吉克実候補生。今後の成長に注目したい。