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前田睦生の感情移入

【五稜郭杯争奪戦】賞金7千万円超えでGPほぼ当確の佐藤慎太郎、そのエロスは主婦層まで虜に!

2022/05/13 (金) 12:00 15

あまり見ない表情の佐藤慎太郎

強さが生み出すものは

 5月14日に函館競輪場で「開設72周年記念五稜郭杯争奪戦(GIII)」が開幕する。地元のいわき平でのダービーで準優勝した佐藤慎太郎(45歳・福島=78期)が出場。ダービーの走りがまた、すごかった…。

 前回のコラムでも取り上げないといけないところだったが、今回を待たせてもらった。ファンを巻き込んでの6日間。シリーズを大いに盛り上げた。シンタロウが「冷静ではいられなかった」と振り返ったほど。普段は競輪とは距離がありそうな“主婦”の方たちも興奮しただろう。

 そう、主婦だ! 4月16日にいわき平競輪場で行われた補助事業の交付式に出席した時ーー。 何の媒体かはわからないが「主婦層が見ているんです」という雑誌か何かの取材を受けていた。トップ写真があまり見ない顔なのは「主婦のためにね」と、競輪場では見せない、あふれるダンディズムをエロスの風の中で表したからだった。

エロス、これこそがシンタロウ

古性優作をさばくのは非常に困難

 最近では『エロス』という言葉をあまり聞かなくなった。何もかもが性的搾取として取り締まられる時代だ。下手をすると、道を歩いているだけで逮捕される…。

 だが、エロスは人間の生きる衝動のひとつなのは間違いなく、人を惹きつける。ウイスキーを片手にするシンタロウの横でしなだれたいと多くの人が思っているだろう。そのシンタロウのエロスは、命を削るところから生まれている。

 決勝は関東両者の後ろにいて、まくってきた脇本雄太(33歳・福井=94期)の番手にいた古性優作(31歳・大阪=100期)をさばいた。今、最もさばくことが困難な選手をさばいた。最後は守澤太志(36歳・秋田=96期)の強襲もしのいで2着。ダービーの準優勝だ。

 引き揚げてくるシーンはおそらくコロッセオで戦い抜いた戦士のようであったろう。すべてを出し尽くし、血と汗は涙すら流させない。彼の枯渇する水分をファンは潤してあげたいと、濡れた。

乾いた風が吹く、函館のバンク

清水裕友は心配性

 このまま官能小説を書きたい気分になってきたが、あらゆる角度からそれは許されない。この季節、函館には乾いた風が吹く。もう一度、シンタロウの汗を吹き流し、戦いの道に引き戻す。

 S班の清水裕友(27歳・山口=105期)は賞金ランキングでチャンスの大きい位置におり、守澤はダービーの3着でチャンスが広がってきた。郡司浩平(31歳・神奈川=99期)はヒットが必要になってくる。

 ダービーが終わると、KEIRINグランプリに向けての賞金闘争は明確な数字と緊迫感を持って迫ってくる。近年のシンタロウは余裕を持ちつつも、やはり最後はギリギリの戦いだった。今年は普通に考えれば、当確。たまに「同着でGⅠ優勝者が複数になった場合」という、可能性としてはかなり低い状況まで考えていたが、よほどを考えない限り、平塚への扉は開いた。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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