2022/05/01 (日) 12:00 2
青森競輪場で開催されている「施設整備等協賛競輪in青森 縄文小牧野杯(GIII)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は16時35分発走予定。
昨年9月の青森記念「善知鳥杯争奪戦」では佐々木雄一が記念初優勝を遂げ、幕を閉じた。今回のGIIIはダービー直前の開催だけにSS班を含め、超一流のレーサーは不在。誰のもとにもVチャンスが到来だ!
地元青森勢が獲るには東北勢をまとめ「結束していくほかねーだろ!」と思って見ていたが、力だけを頼りに突っ走る新人類たちが驚異的だね! 吉田有希も凄い勢いで暴れまくっている! でもベテランの存在を忘れてはだめだよ。経験が物を言う競輪は力がすべてじゃねーっての! 頭脳プレイで翻弄する事だってあるぞ。
いずれにせよ混戦必至、思わぬ伏兵の出現だってある。あれこれ考えを巡らすと興味は尽きないシリーズだ! 今節のテーマは『ダービー前に軍資金を増やす』これでいく。
トップレーサー不在が幸い(?)してか、勝ち上がりでは高配当が出ていた。オレが現役なら「オレにだってVチャンス!」この思いでハッスルしちまうだろう。そういう気持ちが伝わってきたぞ! さて準決勝を振り返ってみっか。
10Rは片折が逃げ、嵯峨昇喜郎は抵抗せず7番手から仕掛け、新山将史とライン決着。『地元3割増し』この格言通りだ! 11Rは橋本智昭が若手平尾一晃を相手に主導権を渡すことなく逃げた。こうなりゃ中団の山岸佳太のモノ。まくって中田健太と決まった。
だが、根本哲吏がバンマク3着。ここでの橋本は殊勲賞モノだ! 2車でも男気先行をした心意気は立派なもの。10Rで嵯峨と新山が決勝へ駒を進めたことで、「ひとりでも多く決勝へ乗せる」と橋本の気持ちに火が着いたのだろう。
12Rは吉田有希が前受けから藤井栄二を突っ張り押し切った。レジェンド神山雄一郎が付いているのだから当たり前の戦法だ! だが、神山さん伸びず…! 中団で脚をためた河端朋之が外を伸びて2着に。
例によって並びから整理する。関東は4車連係で③吉田有希-⑤山岸佳太-⑦中田健太-⑨武藤篤弘。瀬戸内は⑥河端朋之-②阿竹智史、北日本は①嵯峨昇喜郎-④根本哲吏-⑧新山将史となっている(⇐③⑤⑦⑨・⑥②・①④⑧)。
まずは本線から探るとすっか! 4車連係は物凄く有利。吉田がラインで決める走りを心掛けるのなら前を取って突っ張り先行か、ジャン発進だろう。となれば山岸の優勝で吉田の残りか中田の流れ込みだよ! 吉田がまくりなら山岸の流れ込みか、嵯峨の逃げで根本の2着までかね。
さあ、『ダービー前に軍資金を増やす』をテーマに妄想をしてみるべ。この中で、誰が一番優勝したいのか? を考えてみれば、そりゃやっぱり地元だよね。ではその展開があるのかどうか考えてみる。
まずは吉田が前受けからだね! すると中団が地元勢になる。勝負どころで河端が切り、スローペースに持っていく。この展開なら嵯峨は脚を使わず吉田を押さえながら先行できる。番手の根本が吉田を引き付けずにバンマク発進すれば、地元青森の新山のV。これなら根本の残りか河端に乗る阿竹の突っ込みでねーべか? おっかねーから②③④⑧の4車ボックスで押さえっかね。
でも“力が違う” 吉田有希がいっちまうのか…!? 妄想、危うし!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。