2024/09/27(金) 17:00
JBCFロードシリーズ最高峰のJプロツアー第14戦「南魚沼クリテリウム」が9月22日、新潟県南魚沼市で開催された。翌日に開催される「南魚沼ロードレース」は年間のJプロツアーの中でもっとも重要なレースであり、このクリテリウムは選手たちの調子を占う大切な1戦となる。
4回目を迎える南魚沼クリテリウムはJR六日町駅から連なる六日町中央商店街の中を駆け抜ける1周1.24kmのコースを用いる。市内を南北に流れる魚野川の東岸と西岸を往復するように周回する設定となり、レースはこのサーキットを35周する計43.4kmで競われる。
個人総合首位を守り、赤いリーダージャージを着て、最前列に立つのは、金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)。U23の首位は寺田吉騎(シマノレーシング)が守っている。
レースは定刻にスタート。約2周のニュートラル走行の後、リアルスタートが切られた。スタートに合わせるように降り出した雨は、強さを増して行った。
悪天候にもかかわらず、レースは冒頭からハイスピードで展開する。集団前方ではランキングの首位交代を狙うシマノレーシングのメンバーが次々と飛び出すものの、集団との差を広げるまでには至らない。
後半に入ると、寺田吉騎が飛び出し、これをきっかけにチームメイトの風間翔眞(シマノレーシング)、山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)ら5名が先行した。だが、ツール・ド・フランスで個人総合4位も経験した超ベテランのフランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ)がメイン集団を牽引し、この5名を追い、数周のうちに吸収してしまう。
大きな動きが生まれぬまま、レースは終盤へ。動きが生じたのは残り3周となる33周目だった。香山飛龍(シマノレーシング)、新城雄大、宮崎泰史(以上キナンレーシングチーム)、パリ五輪のトラック競技にも出場した橋本英也と、トラックではアジア王者も経験した松田祥位、山本哲央(以上宇都宮ブリッツェン)、シクロクロスの日本チャンピオンである織田聖、フランシスコ・マンセボ(以上マトリックスパワータグ)、阿見寺俊哉(弱虫ペダルサイクリングチーム)ら9名が先行したのだ。9名は後続との差を15秒まで広げて最終周回に入る。
ここにメンバーを送り込めなかったチームが牽引する集団は9名を追うが、残り1kmを切っても10秒以上の差は縮まらない。勝負は9名でのスプリント勝負で決められる可能性が濃厚となった。
最後はトラックレースのトップ選手を3名送り込んだチームブリヂストンサイクリングが他を圧倒し、松田が1位、山本2位となってワン・ツーフィニッシュを決めた。3位には香山飛龍が入った。
松田は「最初から最後までキツく、終盤まで自分が(チームメイトに)引っ張られるようなレースだった」と、チームメイトへの感謝を語った。「最初からハイペースで迷ったが、意見交換し、1からレースを組み立て直し、最後は(3名が先頭集団に入り)いいトレイン(隊列を組んで)で、ゴールに向かうことができた」と優勝までの流れを振り返る。「明日は上りできびしいレースになるができるかぎり食らいついて行きたい」と翌日の重要なレースへの抱負でインタビューを締めくくった。
ランキングは、個人総合首位、U23首位ともに金子、寺田が守っている。
翌日は最重要レースである「南魚沼ロードレース」の開催が控えている。この日はスピードマンが多く所属するチームブリヂストンサイクリングが強さを見せたが、ロードレースは登坂もあり、まったく違う展開になることが予想された。
***************
【結果】
Jプロツアー第14戦
南魚沼クリテリウム(43.4km)
1位/松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)58分01秒
2位/山本哲央(チームブリヂストンサイクリング)+0秒
3位/香山飛龍(シマノレーシング)+0秒
4位/宮崎泰史(キナンレーシングチーム)+1秒
5位/橋本英也(チームブリヂストンサイクリング)+1秒
【Jプロツアーリーダー】
金子宗平(群馬グリフィンレーシングチーム)
【U23リーダー】
寺田吉騎(シマノレーシング)
写真:JBCF 一般社団法人全日本実業団自転車競技連盟
***************
【Jプロツアー2024・開催レポート】**
開幕戦!鹿屋・肝付ロードレース
第2戦・志布志クリテリウム
第3戦・真岡芳賀ロードレース
第4戦・宇都宮清原クリテリウム
第5戦・東日本ロードクラシックDAY1
第6戦・東日本ロードクラシックDAY2
第7戦・西日本ロードクラシックDAY1
第8戦・西日本ロードクラシックDAY2
第9戦・おんたけタイムトライアル
第10戦・おんたけヒルクライム
第11戦・佐木島ロードレース
第12戦・広島クリテリウム
第13戦・新城ロードレース
(P-Navi編集部)