2024/12/18 (水) 09:00
今月27日から川口オートレース場で開幕する、年末の風物詩「SG第39回スーパースター王座決定戦」。
伊勢崎オートのG2レジェンドカップも終わり、いよいよ大一番へ向け、ファンの皆様におかれましては、熱気を高める期間となります。
その気分高揚を後押しできるかはさておき、当コラムでも、毎年恒例となっている、SSトライアル戦出場のメンバー紹介。僭越ながら、私、不肖森泉が16名を紹介させて頂きます。
◯青山周平選手(伊勢崎31期)
12大会連続12度目
今年はオールスターとグランプリでSG2冠を達成。今月上旬に開催された浜松では、自身28度目のG1制覇を完全優勝で飾った。優勝戦タイムは3秒338。ものすごくタイムが出るタイプの選手ではないと思うが、そんな選手のこの上がりタイム。年末に向け、強さと速さを兼ね備えるという仕上げの段階に入ってきている印象だ。
◯黒川京介選手(川口33期)
2大会連続3回目
SG日本選手権で悲願のSG初優勝を飾った新時代の旗頭。しかも6日間にわたるロングランシリーズを、全勝で完全優勝という離れ業を演じた。優勝戦のフライングはご愛嬌として、遂に2強に割って入る選手が出てきたことにファンも歓喜。
◯金子大輔選手(浜松29期)
2大会連続15回目
今年2強の壁を最初に崩したのが金子選手。2月のSG全日本選抜(川口)で、自身3度目のSGタイトルを獲得。業界を大いに沸かせた。晴れ・雨ともに高次元で走れるのが強み。
◯鈴木圭一郎選手(浜松32期)
10大会連続10回目
前人未到の年間100勝達成に2度の10連勝達成と、新たな伝説を作った2024シーズン。山陽オートのG2若獅子杯の落車後はリズムに乗れずの近況で、SG日本選手権の最終日には珍しいフライングも喫してしまった。その日本選手権、その後の地元浜松G1でも連日競走車に対するコメントも冴えなかった。早急な立て直しに期待がかかる。
◯荒尾聡選手(飯塚27期)
21大会連続21回目
自身、トライアル初出場からの連続出場を今も続けるまさに「超人」。得意走路の一つである浜松での落車が気になるところだが、数日後のG2レジェンドカップは休まず参戦。準決勝戦までしっかり駒を進めた(3着)。2017年大会チャンピオンは7大会ぶりに王座のタイトルを九州の地へ持ち帰ることができるか。
◯松尾啓史選手(山陽26期)
3大会連続12回目
7月以降わずか2勝と元気がなく心配されたが、先日の浜松G1では、冷えた浜松走路という得意とするコンディションで約2カ月ぶりの白星を挙げると、準決勝戦までオール2連対で優勝戦進出と復活を遂げた。勢いそのままに続くG2レジェンドカップでも躍動。この急上昇ぶりはファンに大きな驚きを与えた。近況の勢い、伸び率なら、メンバー中3本の指に入る動きぶりだ。
◯鈴木宏和選手(浜松32期)
2大会連続2回目
昨年大会の初出場から2年連続で出場権を掴み取った、遠州のスタート巧者。先日の浜松G1ではポスターモデルに起用されたが、その期待に応えようとした焦りからなのか、準決勝戦では反則妨害。他車落車の原因車となってしまった。しかしそれまでの動き・結果は申し分なく、SG日本選手権でも良走路なら3勝負けなしで優勝戦進出。2日目には青山周平の連勝を16で止めた逃走劇と連勝ストッパーに。雨も以前よりは結果が少しずつ出るようになってきた。12月飯塚G1でグレードレース初優勝も達成。
◯有吉辰也選手(飯塚25期)
5大会連続11回目
飯塚支部長はSG日本選手権に、好調な状況で乗り込み、優勝戦進出は間違いなしと思わせる動きを披露。初日から無傷の4連勝をマークするも、準決勝戦では不運に見舞われてしまい、優出ならず。しかし節間のインパクトは優勝した黒川京介と遜色ないものがあった。その後のG2レジェンドカップでは、優勝戦ポールポジションも、道中の動きは芳しくなかったか。
◯佐藤摩弥選手(川口31期)
2大会連続5回目
昨年は2年ぶりに大舞台に帰ってきた。2023年シーズンは3度のSG優出に地元・川口でのG1優勝。女子レーサー初のG1タイトルと大きな感動を与えた。今年も2月の川口・SG全日本選抜、4月のオーススターで優勝戦進出。そしてG2チャリロト杯ミッドナイトチャンピオンカップで優勝と上々の前半戦に。後半は若干ペースダウンも、シーズン全体で見ると大崩れすることなく走れている印象。順位決定戦に回った昨年大会の雪辱を晴らしたいところ。
◯中村杏亮選手(飯塚33期)
※初出場
川口で開催されたSG日本選手権では優勝戦3着。7枠からスタート一気の3番手に付け、見せ場を作った。初のトライアルメンバー入りだが、相性がいい川口走路が舞台というのは好都合だろう。かつては飯塚ミッドナイトレースを数多く制した「若きミッドナイト巧者」というイメージが強かったが、記念でもコンスタントに結果を残してきている。好相性の川口バンクで暴れ回ってほしいところ。「意外性」という意味では、この選手が最も面白いのではないかと見る。
◯中村雅人選手(川口28期)
18大会連続18回目
飯塚G2オーバルチャンピオンカップを制して満を持して、SG日本選手権へ。初日から期待通りの走りを披露し、しっかりと優勝戦進出。大崩れしない動きをしっかりと見せた。舞台となる川口、今月のナイトレースでは上がりタイム3秒357。時間帯が違うとはいえ、しっかり合わせてきている印象だ。
◯長田稚也選手(飯塚34期)
2大会連続2回目
SG日本選手権・準決勝戦ではトップスタートを披露し優出。自らの手で手繰り寄せた勝負強さが光る。2年連続、選手権でトライアルメンバー入りを決めた。若くして併せ持つ安定した技と際立つ勝負勘は魅力だ。黒川京介に続く新時代のヒーロー一番手に名乗りを挙げたい。
◯若井友和選手(川口25期)
3大会ぶり9回目
地元・川口走路を熟知する「闘魂」は、湿・斑といった難走路を味方にできる選手。そして年間を通して機力は安定できている強みがある。先月のSG日本選手権では、卓越した捌きに加え、スタートのキレの良さも発揮。3日目にはスタートから上手く内へ潜る巧さを見せ、道中は鐘ヶ江将平と松尾啓史をまとめて捉える「2車捌き」を披露し、スタンドを沸かせた。捌きとスタート力も備わった選手権の動きが出せれば、十分に存在感を示せるだろう。
◯加賀谷建明選手(川口27期)
2大会ぶり3回目
雨走路を異次元の走りで我々を魅了する「天才」。今年は川口ダブルヘッダーでは、惜しくも達成とはならなかったが。史上初となる「昼・夜のダブル優勝」を期待させる走りを披露するなど、エンターテイメントぶりも発揮。かつて脊髄と脳の腫瘍摘出手術から復活した不屈の男が走路を賑わせる。
◯佐藤貴也選手(浜松29期)
2大会連続9回目
業界屈指の速攻派で魅せる一方、前に出れば抜かせない走りも披露する技師の一面も。SG日本選手権は準決勝戦3着も予選は3連対でまとめるなど、6日間大崩れなしと相変わらずの川口巧者ぶりも発揮した。8月のSGグランプリ以降、記念・一般開催含めて優勝戦進出がないのは気になるところ。
◯木村武之選手(浜松26期)
2大会ぶり16回目
山陽・川口で連続優勝を果たし不振脱出を印象づけ、日本選手権入り。SGでも動きの良さに加え、連続優勝の要因の一つにもなったスタートのキレを存分に発揮していた。しかし予選道中で反則妨害となり、無念の失権。一般戦回りになっても相変わらずの車の仕上がりを披露していただけに、年末までこの状態をキープしておきたいところ。
次号では、「スーパースターガールズ王座決定戦」に出場する8名をご紹介する予定です。
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【オートレース/今後の記念レース日程】
12月27日(金)〜31日(火)
スーパースターフェスタ2024
SG39回スーパースター王座決定戦(川口)
1月9日(木)〜13日(月・祝)
G1開場48周年記念シルクカップ(伊勢崎)
1月22日(水)〜26日(日)
G2ウィナーズカップ(浜松)
2月6日(木)〜11日(火・祝)
SG第38回全日本選抜オートレース(浜松)
森泉宏一
生まれは東京、育ちは広島、富山。学生時代に喋りの仕事を志し、2009年にボートレース実況でアナウンサーデビュー。2017年からはオートレース実況も始める。現在はYouTube配信番組などの出演も多く、「チャリロト劇場 燃えろ!!オートレース」出演時はMCも務める。パーフェクタナビでは「森泉宏一の実況天国」コラム連載中。プライベートでは2022年に年間100本の万車券的中を達成。試走タイムが出ない選手や逃げが得意の選手を好む傾向にある。公営競技を含めた日々の仕事の様子などを投稿している「森泉宏一のモーリーチャンネル」も絶賛更新中。