199

3回目の緊急事態宣言と日本選手権

2021/04/24 (土) 21:25

3回目の緊急事態宣言と日本選手権

いやはや、この国はどうしたのだろうか。コロナ、コロナ。この1年、その言葉を聞かなかった日はなかった。「緊急事態宣言」も2度発出。そして「まん延防止等重点措置」という聞き慣れない言葉も出てきた。マンボーという響きが緩いということから、しっかり「まん延防止…」と言うようになったとか。
そんな状況の中、この原稿を書いている時に、ニュース速報が流れた。政府が4月25日から東京、大阪、京都、兵庫に緊急事態宣言を出すというものだ。3回目の宣言は相当強めに出すとのこと。

最も気になるのが、5月4日から開催される「G1日本選手権競輪」だ。今回は東京・調布市の京王閣競輪場で行われる。現時点で中止などの情報は入ってこない。昨年の静岡・日本選手権競輪を思い起こせば、直前になって急遽、中止が決定された。世の中が初の緊急事態宣言で揺れる中での判断であった。無観客にしたとしても選手、マスコミ、関係者を合わせれば数百人規模の人の流れができてしまう。そういった事を考慮したのであろう。今回の宣言は、やはり人の流れを抑えることに重きを置いている。そうなると果たして開催できるのか、ファンとしては心配でならないのである。仮にプロ野球などの試合が中止になった場合、東京都は京王閣競輪場に対し、どんな指示をだすのだろうか? 競輪ファンの気持ちではなく、大多数の都民の気持ちを汲んでくるのではないかと考えてしまう。

競輪だけではなく、他の競技もコロナ対策は万全に行っていると豪語しているが、実際にはコロナに感染する選手、関係者は後を絶たない。筆者が心配しているのは、競輪だけが開催された時、国民のイメージが競輪に対して、より一層悪くならないかということだ。選手の気持ちを考えれば、何が何でも開催してもらいたい。そうなった時、本当に完璧なコロナ対策をしていると断言できるのか、そこが問題だ。かつて、関係者やマスコミにはマスクを外している、顎マスクの人間がいたと聞いたことがある。誰だって、寝る時と食べる時以外、マスクをしているのは苦しい。だが、国民の大多数はそれを実行している。主催者の管理能力をしかと発揮していただきたいものだ。


無事に開催、といっても緊急事態宣言が出されたのだから、筆者は無観客だと思っている。まだ無観客とは発表されていないが、さすがに有観客は無理ではないだろうか。もちろん、2年連続で競輪界最強を決める大会が中止にはなってもらいたくない。さらに、五輪もある。脇本雄太や新田祐大の姿が見られないのは残念であるが、松浦悠士、清水裕友、郡司浩平などの若武者がいる。復権をかける平原康多も十分に優勝を狙えるはずだ。五輪イヤーだからこそ、今年の日本選手権競輪は開催してもらいたい。そのために関係者は、国や都を納得させられるだけの材料をそろえ、仮に一人でも陽性者が出たら中止にするくらいの気持ちで臨むべきであろう。

(※写真はイメージです)

競輪関連コラム

岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

閉じる

岩井範一コラム一覧

新着コラム一覧