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続くコロナ余波

2020/03/31 (火) 13:29

続くコロナ余波

東京五輪2020へ暗雲が立ち込めてきた。新型コロナウイルスの拡大が止まず、各国の競技団体が延期を求める動きが顕著になり、ドイツではフェンシングの代表選手がこのまま予定通り開催されるならば代表を辞退すると、宣言。影響力が半端ないアメリカの水連、陸連など欧米を中心とし、延期論も高まっていた。そして、先日、東京五輪は2021年7月23日に開会式、8月8日に閉幕するという1年延期の日程が発表された。

自転車競技の代表発表は4月と聞いている。1年延期ということになれば改めて選考会を開かなければならないだろう。もちろん、この状況が早く収束することを願うばかりである。五輪を目標に多くを犠牲にしてきた選手を何とか予定通り走らせてあげたい、そのように思う気持ちは誰もが同じであろう。

競輪界も未だ無観客での開催が続いている。このままでは改めて競輪場の廃止議論が出てきてもおかしくなく、現況でさえも競輪場で働く人間の生活も脅かされている。特に競輪場内の飲食店は大打撃だ。入場人員が減り、その中で何とか凌いできた業者だが、これ以上、この状態が続くと体力は保たない。これは競輪業界だけの話しではない。日本の経済が成り立たないと、言うべきであろう。業者に対する補償はどうなっているのか?各自治体が責任を持って、取り組まなければならないことだが、そのような話題は一切、聞こえてこない。

取材現場はどうか?知人の記者に聞いたところでは大きな混乱はないとのことだ。但し、マスク着用について、取材する側とされる側に温度差があると言う。報道陣が取材する時はマスク着用が義務づけられているが、選手側は結局のところ“選手任せ”に落ち着いてしまっている感があるそうだ。感染リスクはお互い様のはずであるにも関わらず、マスク着用に差があるのは理解に苦しむ。あたかも報道陣が保菌者であるようにも取られかねない。

マスク以外でも報道陣は取材する際は検温されているのか?選手も毎朝、検温をしているのか?それが見えてこない。大相撲のケースを例に挙げれば……朝と夜に検温をして、春場所を開催していた。途中、関取が高熱を発した時はすぐに休場。結果的に新型コロナウイルスの感染ではなかったが、大事を取った。果たして競輪界は朝と夜の検温、報道陣が取材する時の検温を行っているのか?せめてそれくらいは公表していただきたいものである。JKAがもっとリーダーシップを発揮し、取り組んでいかないことには「所詮、ギャンブル」だからと、世間は見てしまうかも知れない。

やることをやっていれば何かが起こっても、必要以上に叩かれることはない。しかしながら当然のことを行っていなければ……関係者が思っている以上のダメージを受けるだろう。あくまでも個人的な考えだが、競輪界は新型コロナウイルスに対する考え、取り組みが遅れているように感じてしまう。この危機を逆手に取って、世間にアピールしてはどうだろうか?他のどの団体よりも“徹底しています!”的なものを前面に出しても良いはずだ。

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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