2019/12/05 (木) 11:36
11月の小倉G1競輪祭で、チャリロトさんのスポンサード選手=“チャリレンジャー”の1人である松浦悠士(広島98期)選手がG1初優勝を決めました。これでKEIRINグランプリ2019の切符を手中に収めたと同時に、S級S班として年末のKEIRINグランプリ2019から1年間、赤いレーサーパンツを履いてレースに出場することになります。ひょっとしたら1年間、白いチャンピオンユニフォームも……それは決して夢物語ではありません。
競輪祭で見せた清水裕友(山口105期)選手との連携は準決勝、決勝、共に絶賛の嵐。前を回った清水選手のことを松浦選手も優勝インタビューで称えていました。清水選手は25歳、松浦選手は競輪祭中に誕生日を迎えて29歳。若い2人が『ゴールデンコンビ』となり、これからどんな風に競輪界を席巻(せっけん)していくのか?今からワクワクが止まりません!まずは暮れのKEIRINグランプリ2019での走りを楽しみにしたいところです。
私が初めて松浦選手のレースを観たのは2015年1月の平塚競輪場でした。今になって調べてみると、松浦選手は2013年に半期S級に初昇級した後、1度、A級に1年間降級し、2015年の1月から再びS級に昇級していました。その平塚開催の初日、松浦選手は同県の吉永和生(広島80期)選手を連れてのレース。とにかく内々に潜り込んで、このラインが駆けるならばその番手。別のラインがカマしていけばその3番手。そして、番手というような感じで、先手ラインの番手、3番手の選手に対して内を掬って、捌いて、こじ開けてという競走で3着に滑り込みました。
今、改めて松浦選手の強さを知ってからダイジェストを見ると「よくこれだけ脚あるなあ。やっぱり、松浦選手ってこの頃から凄かったんだな~」なんて思ったりもしますが、当時の私はまだ競輪歴が浅く未熟だったので、『先行至上主義』とでも言いましょうか……先行する選手が好きで、同県の先輩を連れてレースをするならばなおさら駆けて欲しいと、思っていたのです。ですから、松浦選手のレースはもう意味が全く分からず、とにかくラインを分断、捌く競走はレースを壊しているとさえ感じていたくらい。それ以来、私にとって松浦選手は天敵となりました(苦笑)。
後々、人伝(ひとづて)に聞いた話しでは、当時の松浦選手は「S級戦でとにかくやってやろう!」という気持ちが強かったそうです。存在感をアピールするためにも、とにかく動く。良い意味で「嫌な選手になる」ということを目指していたのかも知れません。そして、そんな荒々しくも危なっかしい競走に、徐々に巧さも加わって、際立つ自在な競走に。それがF1開催だけではなく、G3や特別競輪でも発揮されるようになっていきました。今ではトップクラスの競走でも先行、捲り、捌きまで、何でもできる本当に凄い選手になっています。
ですから、2015年の私自身に「見る目ないな~!」と、言ってやりたいですね。(苦笑)。この4年間で松浦選手は多くの穴を開け、そして、今では鉄板選手となり、多くのファンの車券的信頼を集めています。天敵と、思って車券的に避けている間に、私は素晴らしい競走をいくつ獲り逃したことでしょう?過去に戻って『松浦-全-全』を買うことはできません、それならば未来の松浦選手は逃さずに獲りたいところです。
競輪を観ていると、好きな選手に限らず、好きな戦法や競走スタイル。逆に、許せない走りなどの好みが出てくるものではないでしょうか。それも楽しみの一つではありますが、自分の好みにこだわりすぎるのも良くないな!と、松浦選手の進化から感じることができました。仮に今現在、好みの走りをしていなくても、その走りにはシッカリした意図があり、後々に進化していく選手もいるのです。数年後にG1で活躍する選手を「私は昔からこの選手は強くなるって、思っていたよ~」なんて言ってみたいものです。車券を買いながら、未来のS級S班を探す。そんな楽しみ方があっても良いですよね。
木三原さくら(きみはら・さくら)
1989年3月28日生 岐阜県出身
2013年夏に松戸競輪場で
ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー
以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に
競輪を自腹購入しながら学んでいく
番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり
好きな選手のタイプは徹底先行
好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション
“おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている
木三原さくら
2013年夏に松戸競輪場で ニコニコ生放送チャリチャンのアシスタントとして競輪デビュー。 以降、松戸競輪や平塚競輪のF1、F2を中心に競輪を自腹購入しながら学んでいく。 番組内では「競輪狂」と、呼ばれることもあるほど競輪にドはまり。 好きな選手のタイプは徹底先行! 好きな買い方は初手から展開を考えて、1着固定のフォーメーション。 “おいしいワイド”を探すことも楽しみにしている。