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ガールズケイリンの代謝制度

2019/07/11 (木) 17:16

ガールズケイリンの代謝制度

7月、競輪業界では年に2回ある昇降級の時期だ。ある者は苦節ン十年でS級1班に、A級からS級に初昇級といった明るい話題がマスコミで報じられる。逆に、代謝制度により引退を余儀なくされる選手もいる。自発的に辞めるのではなく、強制的に引導を渡される。プロ野球では毎年、シーズンオフになると必ずと言っていいほど『戦力外通告』を題材にしたものが民放で放映される。勝負の世界、強い者が生き残り、弱い者は去っていく。至極、当たり前のことだろう。戦力外、強制的に引退はそれなりの理由がある。

競輪業界では特に、ガールズケイリンの代謝に目を奪われる。

(1)第1要件:2期連続して競走得点が47点未満
(2)第2要件:(1)に該当した2期の競走得点に3期目の競走得点を加えて3で割ったものが47点未満、3期目の競走得点が47点以上であっても(2)の要件に該当する者は(3)の序列対象
(3)第3要件:(2)に該当する者のうち最下位3人

上記が登録消除の要件となっているのだが、不思議なもので下から3人が決まっているのに、あくまでも本人からの申告があって登録消除になるという。これは代謝制度を謳うのはおかしなことであろう。そこまで優しさを持って、接しなければいけないものなのか?勝負の世界は甘いものではない。言葉は悪いが、引退ではなくクビになるということだろう。それを本人から言い出すまで待つというのは、勝負の世界においては全く考えられないと思うのだが。引退する人間がホームページ上では次回の斡旋が入っていたりする。これはファンを馬鹿にしていないか?ファンは元よりバンクを去る人間に対しての敬意がないと言わざるを得ない。

代謝制度を独自にまとめ、情報をネット上で公開するファンもいる。そこで驚くべき事実と言うか、現実も見えてくる。昨年7月にデビューした114期生が代謝制度の対象になっているのだ。佐藤水菜(神奈川114期)、柳原真緒(福井114期)らは順調に成長しているが、上と下の差が激しいと感じる。仮に114期生から代謝になるとすれば、デビューして1年半でとなる。これを競輪業界では“ストレート”と、呼ぶらしいが、男子選手も稀にいると言う。

もしも“ストレート”が存在するならば、それは日本競輪選手養成所の責任もあるのではないだろうか?養成所の役割がただ単に選手を養成する機関と、捕らえるのならば文句はないが、決してそうではないだろう。プロになって活躍できる選手を養成するという意味合いが本筋だと考える。一体、彼女らは養成所でどんな訓練を受けて卒業したのだろうか?と、真剣に思ってしまう。もちろん、卒業してからの数ヶ月で成長できるか、できないか、分かれるところではあるが。
ただ、一番は本人たちの自覚の問題であろう。難関を突破して養成所に入り、苦しい訓練を経て卒業。この時点で満足してしまう選手が多いのではないだろうか。プロになって活躍するのではなく、プロになるのが目標、目的といった具合になっているとも言える。私見ではあるが、新人は逆に3期ではなく、2期で決断を下すのはどうであろうか。2期=1年を走って、結果が出ないのはプロとしていかがなものか?以前にも書いたが、ガールズケイリンの選手にはプロとしての自覚をもっと促したい。

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岩井範一

Perfecta Naviの競輪ライター

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