2017/10/08 (日) 09:45
年の瀬の12月28日に平塚競輪場で開催されるガールズケイリングランプリ2017(以下、ガールズケイリンGP)の出場メンバーが決まった!?いや、厳密には決まったというのはまだ早い。男子のKEIRINグランプリ2017の出場選手は11月の小倉G1競輪祭の終了後に決まる。終了後といっても、開催最終日に「選考委員会」が開かれて決まる。G1チャンピオンに、獲得賞金上位の選手が選ばれる。それでは、ガールズケイリンGPはどうか?選考期間は今年1月から9月。どうして9月までなのかは、以前に書いたことがあるので割愛。
9月までの賞金ランクは1位から高木真備(東京106期)、児玉碧衣(福岡108期)、長沢彩(愛知106期)、奥井迪(東京106期)、尾崎睦(神奈川108期)、石井寛子(東京104期)、石井貴子(千葉106期)の順になる。ちなみに8位は昨年のガールズケイリンGP覇者・梶田舞(栃木104期)だ。
しかし、JKAはまだガールズケイリンGP出場者を発表していない。どうやら10月に選考委員会を開いて決めるらしい。賞金ランクが出ているのだから早々に発表すればいいものなのだが……何やら理由があるらしい。
その理由とは、権利を得ている7位・石井貴子の扱い。あるところから聞いたのだが、石井はガールズケイリンGP開催月の12月はレースに斡旋されないというのだ。競輪の内部規則は実にややこしく、その一つに4ヶ月間の反則点が120点を超えるとペナルティーとなり、レースで走れなくなるというものもある。それに石井が引っかかるというのだ。
男子の場合、一昔前は8月に失格したり、反則点がオーバーすると4ヶ月後は斡旋が止まっていた。だから、グランプリが決定している選手やほぼ確定の選手は休んだり、それこそマーク屋でも真っすぐ走るなど、らしさを見せないことが多々あった。それがファンに与える影響を考えてか、グランプリ選手救済で斡旋が出なくなるのは12月ではなく、翌1月になったという経緯がある。この男子の流れを当てはめるならば、石井はガールズケイリンGPに出場して当然だろう。反則点などは男子と同じルールなのだから、ガールズケイリンGPに関しても同じはずだ。仮にここだけ変えるというのなら、ガールズケイリンGPの意義とは何なのか?と、そこを疑いたくなる。まだ正式に発表されていないが、関係者の話しを総合すると、どうやら石井は権利を得ながら出場できそうにない。もちろん、選考委員会が男子と同じ扱いにすれば問題はない。果たして結果はいかに?現在、JKAが推すガールズケイリンの在り方を考える意味でも、シッカリした説明を果たしてもらいたいものである。
そして、改めて石井の話題である。8月の川崎F2で優勝した石井はインタビューで涙ながらに「追加の斡旋が欲しいです。私だけ追加の斡旋がないんです……」と、来場したファンをはじめ、テレビやネットのファンの前で訴えた。確かに7月から9月までの追加斡旋には腑に落ちない点があった。敢えて名前は出さないが、ガールズケイリンGP出場のボーダーライン上の選手数人の追加斡旋が目立っていたことだ。追加斡旋自体は悪いことではない。ただ、なぜ賞金争いが佳境に入ったこの時期に、対象者に出したかということなのだ。石井が涙ながらに訴えたのも理解できる。
男子も以前は賞金争いやS級S班が18人の時などは追加、追加でひどかった。そして、これでは良くないと、対象者の追加斡旋は考え直された。公平性を謳い(うたい)、保つのであれば、追加斡旋についても議論の余地があろう。ましてや石井は東京五輪出場も視野に入れて、競技で海外を転戦することもある。「好きで競技もやっているんだから文句はない」という考えはナンセンスだ。JKAが最も推しているのは東京五輪で間違いないのだから。ならば、石井だけでなく、ナショナルチームに所属する選手にはある程度の優遇措置とまではいかなくても、もう少し気を配ってもいいのではなかろうか?
今回は石井を擁護(ようご)するために書いたのではない。JKAに対して、もう少し分かりやすく、親切な説明を求めたいだけだ。ファン目線で考えると、石井にガールズケイリングランプリ出場の権利がなければ、車券の買い方も変わってくる。石井はガールズケイリンGP出場に勝負が懸かっているという背景も加味して、石井を軸とした車券を買うファンが多くいたのは紛れもない現実であったのだから。
Text/Norikazu Iwai
Photo/Perfecta Navi・Joe Shimajiri
岩井範一
Perfecta Naviの競輪ライター