■失格以外は準決勝を約束される「毘沙門天賞」

　ウィナーズカップはその名称のとおり、車券に最も貢献している１着回数の多い選手を中心に選抜される。また、ヤンググランプリ出場選手も選考されるため、GIとは一味違う、フレッシュな顔ぶれが揃う。

　初日特選27選手にもS級2班がいて斬新な構成になる。そこから勝ち上がってきた9人で争われるのが2日目優秀「毘沙門天賞」。

　失格以外は準決勝を約束されている。

■毘沙門天賞を走る選手の心理

　毘沙門天賞を走る選手の心理はどんなものなんだろうか。もちろん、筆頭は安全第一、無事故無違反だろう。

　追い込み選手ならグランプリだったらどんなところでも突っ込むけどここでは危ない橋は渡りなくないと思うのも仕方ない。

　自力選手なら「初日先行したから準決勝のために脚を温存したい」「初日はまくりだったから先行している姿を見せておきたい」。また番手に同県の先輩など縁の深い選手がついたら先行して1着に導いて恩を売っておきたいと思うかもしれない。

■勝つことにこだわらず「魅せる」レースをする特別な一戦

　先のGI全日本選抜決勝では前受けから"逃げさせられた"太田竜馬が「まさか誰も動かないとは思ってもみなかった」と振り返ったように、グレード、賞金が高くなればなるほど勝ちだけを意識するためか意外にも単調なレースになることが多い。

　準決勝フリーパスの一戦は勝つことにこだわるのではなく「魅せる」」ことを考える。先行することで準決勝を有利に迎えられる選手は誰か、を予想すれば車券検討もしやすくなる。

　発走前に二次予選が終了し、準決勝へコマを進める選手が決まっている。その顔ぶれを見て準決勝のメンバー構成を想像したりもするだろう。すでに気持ちは準決勝に向いている。大会をすみやかに円滑に進めるため、毘沙門天賞の決着がつく前にすでに準決勝の番組は編成されている。

　毘沙門天賞の確定とほぼ同時に番組が取材陣に発表されるため、準決勝の番組には毘沙門天賞の着順(落車、失格等でメンバー変更の際はこの限りではない)は影響しない。

　そんな特殊な環境の中での一戦に七福神の勝利の神様である毘沙門天は誰に微笑むか。

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