2025/11/06(木) 10:00 0 3
小田原競輪場で6日から開催する「北条早雲杯争奪戦(GIII)」。平塚と小田原の場立ち予想家「大津昌広」が今シリーズの展望と注目選手を紹介します。
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「小田原競輪開設76周年記念「北条早雲杯争奪戦(GIII)」が、11月6日(木)から9日(日)までの4日間の日程で開催されます。
小田原競輪場は、昨年の10月からスタンドの解体工事を行っていたために、先月10月のFI戦から約1年ぶりに本場開催を再開する運びとなり、今回の記念競輪と次週の施設整備協賛競輪の2週連続でGIIIが行われることになりました。
スタンドの解体工事によって、ホーム手前の特別観覧席からバックにかけて右側のスタンドが無くなり、バンク周りが開放的な広場になりました。
正面入り口から入ってすぐ右手にバンクが見えて、今まで以上に選手との距離が近く、白熱した走りを身近に感じながら観戦出来るようになりました。
補足ですけれど、バンク越しに威容を誇る小田原城を望められる様になったので、SNSをご利用されているファンの方にはインスタ映えスポットとしても最適だと思います!
小田原競輪場は、他の競輪場と比べると大きな特徴が2つあり、見なし直線が36.1mで全国で1番直線が短いことと、バンクのカント(角度)が同じ短走路の前橋の次に立っている(急角度)ことです。
この2つの特徴から先行するラインが有利になり、捲りは最終3コーナーまでに出切っていないと厳しくなります。
直線が短いので追い込み選手は先行の番手以外は基本的に不利ですが、カントが立っている為に最終2センター辺りは自力、追い込み選手を問わずに外に膨らみ易いので、日頃からインを突くのが得意な選手が狙い目になります。
どの記念競輪でも地元選手が数多く斡旋され、番組も地元有利に組まれるので多くの地元選手が勝ち上がり、その中から優勝者が出る確率も高いです。
小田原記念で言えばその傾向が顕著で、過去9年間で今回3連覇のかかる郡司浩平選手が5回、和田真久留選手、松井宏佑選手、深谷知広選手がそれぞれ1回と実に8回優勝をしていてる様に地元勢が圧倒的な成績を残しています。
ただし今回の小田原記念は、地元南関勢に対して他地区に力ある先行タイプの自力選手が数多く参加しているので、昨年のように地元南関勢の独壇場になることは考え辛く、郡司浩平選手を筆頭に地元勢には引き続き頑張って貰いたいけれど、例年よりも激戦になることは必至だと思います。
シリーズリーダーとなるのは、間違なく地元で3連覇がかかり気合いの入る郡司浩平選手と、新山響平選手と、清水裕友選手のS班3人の選手になりますが、先に触れたように今回は力有る先行タイプの自力選手が数多く参加しているので、先行有利な短走路の小田原バンクと言う事を考えると自力選手の勝ち上がり次第では、S班3人以外の他地区選手にも優勝のチャンスは十分にあると思います。
それを推測するためには、地区別の選手層の厚さが重要になって来るので、次からは自分なりに考える地区別の戦力分析をランキング形式で発表したいと思います。
地区別の戦力分析を考察する上で小田原競輪場は先行有利な短走路なので、追い込み、自在選手の力量よりも、特に先行を得意とする自力選手をメインに戦力分析とランキングを発表して行きたいと思います。
今回断トツの1位には関東地区を推したいと思います。記念クラスで実績のある佐々木悠葵選手と吉田有希選手に、3月に特進でS級に戻って来てから快進撃を続ける木村皆斗選手に加えて、何と言っても今回1番の注目選手は10月の弥彦FIより中部地区から栃木に移籍して来た杉浦侑吾(旧姓藤井)選手になると思います。
以前中部地区を代表する先行選手の深谷知広選手が南関地区に移籍したことによって、郡司選手を代表する南関地区の立ち位置が競輪界のトップクラスに上がって行ったように、今まで中部を代表する先行型としてGIクラスでも活躍して来た杉浦選手が関東地区に移ったことにより、深谷選手の時ほどとはいかずとも、今回だけでなくこれからの関東地区の勢力図にかかわるキーパーソンになることは、間違いないないと思います。
先行タイプでは無いけれど、自在に何でも出来る鈴木玄人選手も8月の函館「オールスター競輪(GI)」でブレイクし、脇を固める追い込み勢も実力者の諸橋愛選手、宿口陽一選手、力を付けた佐藤礼文選手と申し分なく、地区別の総合力No.1だと思います。
清水裕友選手率いる中四国地区と、北日本地区のどちらを2位にするか迷ったのですが、地区を先頭で引っ張る新山響平選手本人が競輪界を代表する先行選手なので北日本地区を2位にしたいと思います。
新山選手を筆頭に、ナショナルチームでも活躍する中野慎詞選手、着実に力を着実に付けて来ている櫻井祐太郎選手と大川剛選手。その布陣を目標に出来るGI決勝クラスの総合力を持つ成田和也選手は、新山選手とともに決勝進出の最右翼の1人に挙げられると思います。
中四国地区を3位にしたけれど、新山選手を別枠として考えるなら北日本地区よりも中四国地区の方が上位だと思う。
中四国を代表する先行型の2枚看板の石原颯選手と町田太我選手は、地脚タイプの選手なので、出切れないと大敗するケースも多く見られるけれど、出切ってしまえば別線に捲らせない強力な先行力を発揮出来る選手です。
一次二次予選でポカせずに準決勝まで勝ち上がり、清水選手と共に準決勝をクリア出来れば、清水選手が優勝候補の筆頭に躍り出ることになると思います。
カマし捲りで1発の魅力有る若手の西田優大選手にも注目したいです。
小田原記念は、地元南関地区があれだけ強いと言っておきながら4位にしたのは、はっきり言って郡司選手と松井選手以外に、準決勝まで勝ち進める自力選手が見当たらないからです。
郡司選手は自力でも番手戦でもどうにかなると思うけれど、松井選手は準決勝で郡司選手と一緒になれば、地元戦でいつも以上に勝ち上がらなければならない重圧と、郡司選手に迷惑をかけられない事で相当なプレッシャーがかかると思います。
昨年の決勝戦は、色々と物議を醸す事になった南関7車での連携からラインの力で優勝した郡司選手ですが、初日特選は松井選手に前を任す事になると思うけれど、残りのレースは決勝含めた全てのレースを自力で勝ち切る覚悟で望んで貰いたい。
九州地区の先行型の自力選手は、若手の梶原海斗選手になるけれど、まだ GIIIの二予選が壁になっている現状なので、九州を引っ張る北津留翼選手の頑張りに期待したいです。
さらに注目したいのは、先行型では無いけれど先日の「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」で絶好調だった伊藤旭選手です。
寛仁親王牌の行われた前橋は、小田原と同じタイプの短走路だったので前回の体調を維持出来ていれば今回の台風の目になりそうな気がします。
今開催はそもそも中部地区と近畿地区は参加選手自体が少ないので、中部近畿地区で連携しても苦戦を強いられることになりそうです。
中部地区は、杉浦選手が直前に愛知から栃木に移籍したことが痛く、記念クラスで実績の有る選手は志田龍星選手だけとなり、孤軍奮闘することになりそうだけれど、元々捲りが得意な選手なので、カマし捲りで1発狙いの競争に徹する方が意外と好結果に繋がるかも知れません。
近畿地区は、まだ発展途上の選手ですが、125期の新鋭谷内健太選手に期待したいです。8月の末にA級からS級に特進を決めて、いきなり初出走となった奈良記念で一次二次と圧巻の逃げ切りを決めて、準決勝は7着に沈んだ物の先行で見せ場を作り、今開催も同時配分の山田久徳選手の1着に見事に貢献していました。今開催も奈良と同じ短走路の小田原なので、奈良記念に引き続き旋風を巻き起こして貰いたいです。
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※競輪は適度に楽しみましょう