2022/03/08(火) 15:00 0 3
坂木田雄介は競輪界にとって名物選手の一人。独自の熱い理論と、先行にこだわる姿勢は浦山一栄と双璧。セッティングやフレームなどこだわるイメージがない坂木田雄介だが、
「競輪学校時代は朝から晩までセッティングや道具を研究していた。在校成績もビリの方だったから、同期はみんな笑っていた。当時、自転車やセッティングは重要視されていなかったので。細胞に理解させようと試行錯誤の連続。デビューして1年半、B級暮らし。A級に10年いてS級に上がったのは32歳の時。それから、それなりの成績を残せたけど2着は多かったがS級では優勝出来なかった。だけど、自分の競輪人生において、道具や選手など、一度も負けて人のせいにしたことはない!」。
何かタイプは違うが、宗景祐樹と共通項がある気がして振ってみると、
「強引なマーク選手と不器用な先行選手でタイプは違う。だけど、“同じ凡人同士”で変に頑固だから、話が合った。お互い、自分の世界や生き様も持っているので。宗景は、人の言うことを全く聞かないし参考にしない。ただ、俺の言うことやアドバイスは受け入れてくれるから、栃木の選手がビックリしていた(笑)。先行選手に付けず、自分でやっていたこともあったけど、その辺りも、俺の意見を言わせてもらった」。
時代から取り残された男だし、宗景の「今更、変えられない。やってきたことがあったし、ぶれたと言われたくない」という言葉は好きで印象に残っている。
宗景は「凡人論を語ったり、坂木田先生の言葉は、すっと耳に入ってくる。これは俺自身、不思議ですよ(笑)」。(町田洋一)