2022/02/05(土) 20:30 0 3
「自分の好きなことをやってきただけ」と笑う佐古雅俊。
昨年10月の別府で通算400勝を達成し、昨年末の地元戦では予選1着。今年の5月に62歳になるとは思えないほど元気いっぱいだ。しかし近年は、何度も落車するなど思い通りに走れていない日々が続いていた。
「今はもう大丈夫だけど、狭心症で心臓の手術を4回(18年に3回、19年に1回)した。それと、ここ2、3年くらいは落車で骨を折りすぎた。あまり大ケガはしてこなかったんだけどね。40年分が一気に来た感じ。選手を続けられているだけでも良かったですよ。なんとか(ケガの影響の)峠を越せた感じだし、踏ん張れている。若いもんが助けてくれていい結果も出せた。あらためて、競輪というのは自分一人じゃないって思いましたね」
競輪はラインで力を合わせて、いい結果を目指す競技。60歳を過ぎても白星をゲットできるのはラインの力に他ならない。
佐古が続けてきた「大好きな競輪」に対する思い、やってきたことが跳ね返ってきているのだろう。
「もうちょっと楽しみたいね。とにかくラインを裏切る行為だけはしたくない。“なんやアイツは!”って思われるような不義理なレースだけはしたくない。今までやってきたことが覆されないように心掛けてます」
先日、通算500勝を達成した梅澤謙芝からの『佐古さんを目指して…』の言葉には「嬉しいね、選手冥利(みょうり)に尽きます」と目を細めた。
そして、梅澤の姿を見つけると「戦友だから」と記念撮影。その後も、取材中に寄ってきた篠原忍ともツーショットで写真に収まった。
篠原も「佐古さん、ほっとけないんですよ〜」と笑った。検車場でも、佐古がいろいろな選手と戯れている場面をよく目にする。誰からも愛され、気にされるキャラクター。今後も自分の走りを貫いて検車場に甲高い声を響かせる。(netkeirin特派員)