2025/10/17(金) 22:32 0 1
阿部将大の出現により活気にわく地元・大分勢だが、阿部が今の地位まで登り詰めるまでは目立ったタレントが少なく、長らく大塚健一郎と小野俊之の両輪が引っ張り、菅原晃や牧剛央たちが支えてきた。
菅原にいたっては大塚と小野が「晃なら前を回していい」と番手を譲るほどの信頼関係がある地元で、唯一と言っていいビッグ戦線で通用する大砲だった。そんな彼らも年齢を重ね、今ではいぶし銀の活躍でそれぞれの役割をこなしている。
今でも地元の顔である大塚はケガに泣かされ常に満身創痍。一走ごとにかける覚悟は相当なもので、二次予選11Rは山田庸平-小川勇介の3番手から3着をキープ。「初日がふがいなかった。自分の体なのに自分の体じゃないみたいで…。2日目は役割だけは果たそうと思った」と気力を振り絞り、持ち場を守った。
7Rの菅原は青柳靖起-塚本大樹の3番手から直線を踏むも伸びを欠き5着。5着からは3人が準決へ上がれる方式で、前日の着位の都合でいったんはこぼれ二次予選敗退が濃厚だったが、そのあとのレースで欠場者が出たため繰り上がり準決へ滑り込んだ。「(南潤の)落車欠場の繰り上がりだから素直には喜べませんが、せっかく準決に上がれたのでチャンスを生かしたい」。準決11Rは山田庸平-塚本大樹の3番手。しかも4番手には大塚が付ける責任のある位置だ。
そして牧。初日は6着とドンケツからのスタートとなったが二次予選12Rは伊藤颯馬-阿部将大に食い下がり3着と大健闘。出足に口が空き、さらには早坂秀悟との併走に足を使ったがベテランのしぶとさで乗り切った。
「今回は何としても地元で決勝に乗りたい。併走を耐えられたし練習の成果が出たと思う」と前回の9月青森記念から3週間じっくりとメニューを組んで仕上げた成果に得心した。準決10Rは青柳-中川誠一郎の3番手から虎視眈々と決勝進出を狙っている。
阿部の活躍に刺激を受けながらも、3人ともまだまだ老け込む気は毛頭も無い。"別府競輪の男達"が静かに存在感を示し続けている。(netkeirin特派員)