2025/09/23(火) 09:55 0 0
準決勝7Rは、角宗哉が突っ張り先行から押し切って決勝進出一番乗りを果たした。7月に初昇班し、完全優勝した2節目の地元戦から4節連続の決勝入り。連日圧巻の強さを見せており、マークした選手だけでなく対戦相手からも「強い!」の言葉が飛びかった。ある選手は「電動バイクじゃないと無理」と脱帽するほどだった。
「作戦通りに走れてワンツーが決まって良かった。悪くはないけど良くもない。物足りない部分? 全体的に。特にスピードの乗り。スピードに乗っていない感じがあるし、自分の中では最後もタレている。一気に行かれちゃうかと思った」
周囲の興奮をよそに、本人はいつも通りクールに辛めの自己ジャッジ。それでも昇班後は決勝進出を逃した大垣を含めて1度も確定板を外しておらず、直近3節は完全V、準優勝、準優勝のハイパフォーマンスを見せている。チャレンジ時代の終盤も本格化の兆しを見せていたが、なぜ特別昇班をしなかったのか不思議なほどの強さだ。昇班後の走りを分析すると、特筆すべきなのは味方のラインの選手に交わされたのが、2節前の玉野決勝で國村洋に差された1度だけということ。このあたりに角の強さの秘密がありそうだ。初日に初連係した近藤修康は「2コーナーからの加速がすごかった」と振り返っており、準決勝で初連係した坂田章は「要所でしっかり踏むし、(スピードの)上がり方もすごい」と称えた。
「一番意識しているのはペース配分。師匠の渡口勝成さんや桑原大志さん、清水裕友さん、取鳥雄吾さんたちにアドバイスをもらって、チャレンジの時から自分なりに試してやってきた。他の人のレースもなるべく見るようにしています。踏み方とかは展開もあるので時と場合によるけど、自分なりに引き出しは増やせていると感じます」と角は話す。
昨年デビューした125期。既に10人の同期がS級で戦っているが、「上でしっかり戦えるように」惑わされず、目先の結果に一喜一憂せず、ペースを乱すことなく地道に脚力、先行力を磨いてきた。
「そこは山口支部の方針でもあると思います。これからもS級で活躍できるように、頑張ってやっていきたい」
まだまだ進化の途中。この気持ちがある限り、もっともっと強力な先行選手となっていくだろう。S級に上がってからの完成形を見るのが今から楽しみだ。今回の決勝は同期の川田真也との2分戦。どんな運びに出るのかにも注視したい。(netkeirin特派員)