2025/09/11(木) 18:10 0 4
「共同通信社杯競輪(GII)」が12日、福井競輪場で開幕します。今回は寺崎浩平選手のインタビューや前走・岐阜記念で決勝3着のベテラン志智俊夫選手、神山拓弥選手のこぼれ話などケイリン女子部・二宮歩美部長による前検日レポートをお届けします。
岐阜記念からの松阪ミッドGIII…そして中1日で息を抜く間もなく、今度は共同通信社杯競輪(GII)が今年は福井競輪場で9月12〜15日の4日間に渡って開催され、年々G(グレード)がつく開催が増えていることを皆様、実感されているでしょうか?
最近、凄く不思議なのが全体的にハードスケジュールになっているにも関わらず、私の周りにはひいひいしてバテている人がいないどころか、年々そのハードスケジュールに合わせて、体力や持久力をつけ、更に開催を盛り上げようとしているポジティブなJKAや施行者、記者や関係者、そして演者やお客様ばかりで度肝を抜かされている日々を送っています!(笑)
「こりゃ、私もまだまだ老けられないな!」と喝っ!! を入れてもらうとともに、売上減少やコロナ禍で開催頻度も減って苦しい時期を間の当たりにしたからこそ、右肩上がりの兆しを見せている今、ここぞ!! とばかりに競輪の必要性を世に打ち出す新しい施策を含め、「更に賑わっていくように」と開催が増えているのはとてもいい兆候に感じています。
その一つとして、閉幕まで後1カ月と迫っていた大阪・関西万博会場でも“競輪ブース”が設置され、日本のみならず世界中の方々に認知していただく貴重な機会に恵まれたのも万博協賛競輪を5年間続けてきたからこそ。ここから更に来年の秋は愛知・名古屋アジア・アジアパラ競技大会、そして2028年のロサンゼルスオリンピックへと世界にケイリンが羽ばたいていくのも楽しみですね。
そんな日本を背負って世界と戦うナショナルチームを始め、新人が多数出場する『若手の登竜門』と呼ばれている今大会。「他のグレードレースと何が一番違うか?」と言われると111期〜127期の平均競走得点上位25名(選考期間中)が優先的に出場できるところ。
その中でも近況のグレードレースで感じるのは117期の出場人数の多いこと、多いこと。オープニングレースなんて3名(石原颯・道場晃規・青野将大選手)がいきなり勢揃いし、なんと総勢13名出場と勢いを感じます。それこそ2021年に共同通信社杯を制し、2023年には日本選手権GIで優勝した山口拳矢選手に続き、今年の函館オールスターGIで脇本雄太選手の番手を回り、獲るべくして獲った寺崎浩平選手も記憶に新しいですよね。
「自分のやっていたことが認められて(オールスターの決勝で)位置が回ってきた。遠回りのような、でも返ってきたので間違いじゃなかったのかなと。腰痛で武雄は欠場した。地元だし気持ちは入るが今までのGI、GIIと一緒で変わらず自力で」
今、“輪界No.1”と言っても過言ではない脇本選手や古性選手、南修二選手がいる近畿の中で認められることは容易なことではないし、それぞれの先輩たちがやってきたことがやってきたことだけに、自分に対しても周りに対しても仲間内だからこその厳しさもあったはず。その中でライン戦からもぎ取った優勝は今までの何にも変えられない喜びやこみ上げてくるものがあったはず。
それでも、コメントを聞いてもらってわかる通り、初のGIを獲ったからといって一切満足するわけでも、調子に乗るわけでもなく、しっかりと喜びを嚙み締めた後は気持ちを引き締め直して、ここからが本当のトップクラスの入口であることをわかっているかのような表情で共同インタビューに現れたのが印象的でした。その脇本選手と寺崎選手の地元である福井が今回の舞台になるわけなので、流れ的にも期待値も高まりそう。
また対照的に検車場にはベテラン53歳の志智俊夫選手の姿も。
いつ見かけてもピリついた雰囲気はなく、穏やかな表情で、気づいたら隣にすっといて自然な感じで話しかけてくれる人柄の良さも垣間見られます。それでもレースになると若手の先行についていくだけではなく、しっかり最後にチャンスがあれば鋭く差すこともできる。先日の岐阜記念では唯一、地元として優出を果たし、決勝では纐纈選手が先行する流れになり、マークして3着に食い込む好気合い!
「53歳で地元記念3着はもはや優勝!!!!」とYouTubeのコメントでも賞賛されていたほどの衰え知らず。個人的には3日目のリカバリー力にも目を奪われました。
そして最後に検車場で同地区のほぼ同期である神山拓弥に遭遇。
「いやーっ、本当に更にハードスケジュールになって俺はもうひいひい言いながら、どうにかほっそーい蜘蛛の糸のようなものに食らいついているだけだよ! 毎月3本は最低でも開催があるし、それでも先輩たちはタフにこなしてレベル上げているし本当に凄すぎる」って、そんな中、常に第一線で戦い続けている神山さんも尊敬です。また、こぼれ話も聞くことができました!
「凄い先輩と言えば…競輪養成所の所長になった雄一郎さんに飯島さんと会いにいってきたんですよ! で、3人で引退した高地祐一さんが熱海に出した焼肉屋さんに行ってきたのですが、めちゃくちゃ新鮮なお肉ばかりで、しかもワインも詳しくて美味しすぎて飲み過ぎて飯島さんと2人で3本もあけちゃったんですよ! 雄一郎さんが運転してくれてそのままうちに泊まってけって話になってお邪魔しましたが、凄い豪邸で!
一番びっくりしたのは朝起きたら、完璧な和食の朝食が準備されていて。焼き鮭にご飯に(きっと味噌汁も笑)が並んでいて、雄一郎さんが鮭を焼くようになってたんですよ!(笑)。 で、ヨーグルトにはこれ、かけろ、これ、いれろって健康になるからって。引退してお母さんに変身してました。僕が知るに現役時代に一度も料理してるの見たことなかったんですが!(笑)」
引退して今度は生活や料理のレベルを上げた神山雄一郎の話をこんなところで聞けるとは思ってもいなかったのですが、ちょっとした平和な前検日の雰囲気もお裾分け(笑)。