アプリ限定 2025/08/01(金) 18:00 0 7
8月12日に後半戦最初のGI、「オールスター競輪(GI)」が開幕する。今年からオリオン賞拡大、準々決勝新設など大幅な改革が行われている。ここでは主な変更点やその他注目ポイントなどについて解説していく。
8月12〜17日に函館競輪場で開催される「第68回オールスター競輪(GI)」。6月下旬に出場選手が発表された。
選考条件は下記のとおり。
【オールスター競輪選考条件】※開催時S級在籍
(1) S級S班在籍者
(2) オールスター競輪で3回以上優勝した者(開催時S級1班在籍者)
(3) パリ五輪自転車競技トラック種目代表選手
(4) (1)〜(3)で選抜された者を除くファン投票得票数上位者50名(ファン投票得票数が同数だった場合は選考期間における平均競走得点上位者)
(5) 平均競走得点上位者を(1)〜(4)で選抜された者と合わせて125名に達するまで選抜する(同点の場合は選考期間における選考用賞金獲得額上位者)
(6) (1)〜(5)で選抜された者を除く選手選考委員会が推薦する者10名
※選考期間は2024年12月〜2025年5月の6か月
なんといってもオールスターの選抜条件で最も大きな特徴は「ファン投票」の存在だろう。
ビッグレースではそれぞれの特徴的な選考条件により人気上位のトップレーサーが選考漏れしてしまうこともしばしば。しかしオールスターでは人気投票上位50名は確実に出走でき、なおかつファン投票以外の選出枠も競走得点が重視されるため、意外な選考漏れは起こりづらい。
また、もう一つオールスター競輪の大きな特徴として取り上げたいのが上記選考条件(6)の「推薦枠」だ。ここでは毎年実績豊富なベテランや将来が嘱望されるニュースターが選出される傾向にある。
昨年は121期の纐纈洸翔、後藤大輝などが選出されていた。纐纈はその後ヤンググランプリで優勝。後藤は”徹底先行”としてブレイク中だ。
今年の選抜選手は以下の通り。
選手名 | 期 | 府県 |
---|---|---|
中石湊 | 125 | 北海道 |
小松崎大地 | 99 | 福島 |
山崎歩夢 | 125 | 福島 |
宿口陽一 | 91 | 埼玉 |
渡邉雅也 | 117 | 静岡 |
栗山和樹 | 125 | 岐阜 |
福永大智 | 113 | 大阪 |
西田優大 | 121 | 広島 |
昨年デビューしたばかりの125期生からなんと3人もの選手が選抜された。中石、栗山の2人はすでにS級で優勝を果たしており、この期のレベルの高さがうかがえる。
その他にも北日本の功労者である小松崎、タイトルホルダーの宿口、123期の若手ながら6月の高知記念を制した西田など注目度の高い選手が選抜されている。
推薦組が旋風を巻き起こすのか、ぜひ注目していただきたい。
これまでオールスターのシード戦はファン投票1〜9位の選手が出走する「ドリームレース」、10〜18位の9選手が出走する「オリオン賞」がそれぞれ1レースずつ行われてきたが、今回からはオリオン賞が2レースに拡大しファン投票27位までの選手が初日シードの恩恵を受けられることとなった。本来は27位までだが今年に関しては11位の平原康多氏が引退したことにより28位の坂井洋が繰り上がっている。
選抜されたメンバーを見てみるとドリームは例年と変わらずほぼS班の面々で埋め尽くされているが、オリオン賞の方はフレッシュな顔ぶれに。ナショナルチームの太田海也と中野慎詞や、昨年準Vの窓場千加頼、その他にも取鳥雄吾、藤井侑吾らがファンの支持を得て出場する。
このオリオン賞の枠拡大で、ファン投票の恩恵を受けられる選手が増えた。ドリームレースの1〜5着、オリオン賞1〜2着は準決シードの「シャイニングスター賞」に進出することができる。またドリーム・オリオン賞出場選手は、失格等さえなければ着順にかかわらず準々決勝進出が可能だ。
予選スタートの選手は準決勝にたどり着くまでに3戦勝ち上がりを懸けたレースで激しく消耗させられることを考えると、かなりのアドバンテージがあると言えるだろう。実際に調査してみたが、直近の6大会連続でシャイニングスター賞に進出した選手が優勝している。
近年はポイント制で行われてきたオールスターだが今回から廃止となり、今回からは新たに二次予選と準決勝の間に位置に「準々決勝」が新設された。
二次予選、準々決勝は共にA、Bに分かれており勝ち上がりはやや複雑。準々決勝Aは準決勝へ4着権利、準々決勝Bは2着権利と勝ち上がりの難易度が大きく変わるため、激戦は必至だ。netkeirinではレース当日の朝に負け戦含めその日の詳細な勝ち上がりフローをまとめた記事を各日に配信する予定だ。当日はぜひそちらをチェックしてほしい。
優勝賞金は昨年から400万円アップの6300万円、準優勝でも3387万円と高額な賞金が設けられており、グランプリ争いに大きな影響を与えることは間違いないだろう。
激闘待ったなしの夏の祭典、ファンの皆様にはぜひ1レースたりとも見逃さずに見届けてほしい。