2025/06/03(火) 18:00 0 16
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週は10秒8の上がりタイムで優勝をもぎ取った山口拳矢の好プレーをお届けします。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
この男はやはり違う。四日市ナイターFIの最終日、6月2日はまたしても山口拳矢(29歳・岐阜=117期)がそのポテンシャルを見せつけた。自分で動いた時の魅力といえば、これまで証明されてきたものがある。
このところは人の後ろ、中部の仲間の後ろを回ることもあり、そこでどうなのか…は問われてきた。前の選手をかばいすぎて人気を裏切るケースもあった。何が求められているのか。
ケンヤがどう考えているのか、どうしていきたいのか、が気になるところだったが、このレースで知らしめた。勝ち切った凄さも含めてだが、ケンヤとしての重要なレースになった好プレーだった。
決勝12Rは村田祐樹(26歳・富山=121期)に任せての戦い。別線にも積極タイプがいたので、村田は持ち味の逃げ勝負に出ることができなかった。しかも、単騎の岸田剛(28歳・福井=121期)との並走が長引き、村田は仕掛けられない。
ケンヤは待つ。『村田が仕掛けるタイミングがあるか』最後までそれを待っていた。並走の最中、2角では自分で仕掛けるタイミングがあり、そこが勝ちに近づくポイントでもあった。
だが、最終バックでも待った。村田が下がってくる形になり、3角からは自分で踏み上げていく。上がりタイム10秒8のスピードで優勝をもぎ取った。中部ラインでどう戦っていきたいかを示した★3つの好プレー。勝ち切れなければ判断ミスと言われるところを勝ち切った勝負強さにも、やはり注目したい。
すごいで賞=★★★☆☆(星3つ)