アプリ限定 2025/04/26(土) 12:00 0 2
25年に入り早くも全日本選抜競輪(GI)、ウィナーズカップ(GII)を消化したが結果はどちらも近畿勢が優勝を飾った。来週から開幕するGIの中でも最も賞金の高い日本選手権競輪(以下ダービー)を迎えるにあたって今一度、現在の勢力図をチェックしていきたい。今回はKEIRIN.jpで発表されている上位50名の獲得賞金を地区別に集計し、各地区の賞金状況から勢力図を考察する。(※賞金は4月23日時点)
まずはウィナーズカップ前(3/10時点)はどのような賞金状況であったのかをおさらいしていこう。
地区 | 賞金額 | 割合 |
---|---|---|
北日本 | 6036万1800円 | 10.45% |
関東 | 7982万848円 | 13.82% |
南関東 | 1億772万3370円 | 18.65% |
中部 | 4118万2274円 | 7.13% |
近畿 | 1億5348万2774円 | 26.58% |
中国 | 4145万3000円 | 7.18% |
四国 | 2849万5400円 | 4.93% |
九州 | 6499万9100円 | 11.25% |
全日本選抜を制した脇本雄太を筆頭に、近畿地区の獲得賞金が全体の約4分の1を占めるという圧倒的な結果だ。
さて、ここからは今年の勢力図をグラフで見てみよう。ウィナーズカップ前(3/10時点)からどのような変化が起こっているのだろうか。そして今後さらにどのような変化が起こりそうなのかを現状の戦力から考察する。
今年も競輪界の中心は近畿勢だ。現在2位の南関東勢に約10%の大差をつけて圧倒的トップを突っ走っている。脇本雄太が全日本選抜競輪(GI)、古性優作がウィナーズカップ(GII)を制し、寺崎浩平も個人賞金5位に位置するなど他の追随を許さない充実っぷりを見せている。その他にも窓場千加頼、福永大智、石塚輪太郎など有力な若手が揃っており、今後さらに後続を突き離す可能性まで秘めている。
打倒・近畿の筆頭格は今年も南関東だ。郡司浩平、深谷知広、和田真久留、松井宏佑の4人がGIIIを優勝、岩本俊介も優勝こそないもののコンスタントに着に絡み個人賞金も15位とS班の意地を見せている。今年のグランプリの舞台は平塚競輪場、一人でも多く地元勢で出場枠を埋めたいところだろう。
関東は前回からややアップの結果に。眞杉匠のウィナーズカップ準優勝、吉田拓矢がGP圏内の個人8位などが好調の要因か。さらに上を目指すためにも関東の総大将・平原康多の復活が待たれるところ。その他にも森田優弥、佐々木悠葵などキッカケ一つでS班まで手が届くポテンシャルを秘めている選手は多数いるだけにここからの快進撃に期待したい。
2019年の中川誠一郎以来地区として6年ぶりのグランプリ出場を狙う九州勢は山田兄弟(山田庸平・山田英明)の活躍もあり4位の位置に。ずっとS班候補に挙げられながらこれまでグランプリ出場は叶っていない2人だが、今年に入り庸平は初の地元・武雄記念優勝、英明はFI戦で2度の優勝の好成績を残している。その他にも伊藤旭、伊藤颯馬、青柳靖起など高いポテンシャルを秘めている選手が多い九州勢、一丸となって悲願のS班輩出を狙う。
前回と比べて2%以上アップの中国勢、稼ぎ頭は個人21位の柏野智典と飛び抜けて稼いでいる選手はいないが地区一丸となってコツコツと賞金を積み重ねている。そしてここに来て清水裕友が高知記念優勝、松浦悠士がFI戦連続優勝などゴールデンコンビが上向きの様子でここからの反撃に期待がかかる。
前回から大幅ダウンとなってしまった北日本勢だがやはり佐藤慎太郎、新田祐大の離脱、さらに守澤太志、渡部幸訓らも本来の実力を発揮できていないのがかなりの痛手となっている。これらの選手が本調子で帰ってくるまで新山響平、菅田壱道、成田和也らのメンバーを中心に何とか持ちこたえたいところ。
中部を長年引っ張ってきたリーダー・浅井康太がグランプリ圏内の個人7位につけているも、中部勢全体としては前回からややダウンの結果に。依然として浅井康太・山口拳矢の2人に次ぐスター格の選手が出てこない現状で纐纈洸翔、藤井侑吾、志田龍星らが一刻も早く覚醒することが地区として飛躍するための絶対条件だろう。
前回から割合はアップしているものの最下位となった四国勢。S班へと繰り上がった犬伏湧也は個人9位とS班の肩書きに恥じない活躍を見せているが、なかなか後続が付いてこない現状に苦しんでいる。タテ・ヨコ何でもできる松本貴治、必殺仕事人・小倉竜二らが犬伏のサポートをできるかどうかが大きなカギとなる。
ここまで地区別の勢力について取り上げてきたが、現在成績が振るわない地区も高額賞金であるダービーの結果次第で巻き返しは十分可能である。最後に29日より開催されるダービーの各地区の出場者数、そして各地区の出場選手の中で今年賞金上位の選手をピックアップする。
地区 | 出場選手 | 代表選手(賞金順位) |
---|---|---|
北日本 | 24 | 新山響平(11位) |
関東 | 23 | 眞杉匠(6位) |
南関東 | 21 | 郡司浩平(3位) |
中部 | 18 | 浅井康太(7位) |
近畿 | 22 | 脇本雄太(1位) |
中国 | 16 | 柏野智典(21位) |
四国 | 14 | 犬伏湧也(9位) |
九州 | 24 | 山田庸平(12位) |
出場数が最も多いのは北日本勢。上記の通り現状は苦戦傾向だが数の利を活かして巻き返したい。中国・四国は単体で見ると数で劣るものの、中四国として力を合わせてともに上昇できるかどうか。
優勝賞金は8700万円、準優勝でも4251万円と高額賞金のダービー、グランプリ争い・地区の勢力図に間違いなく大きな影響を与えるだろう。地区代表の看板を背負う戦士たちの激闘から目が離せない。