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「オールスター競輪」ってなに? ファンが選んだスター選手&五輪帰りの日本代表が顔をそろえる真夏のGI

アプリ限定 2024/08/04(日) 16:30 0 6

8月13日からGI「オールスター競輪」が開幕する。ここでは「ファン投票」の結果が反映されるオールスターの選考と、ポイント制一次予選など勝ち上がりルールや昨年の勝ち上がりボーダーについても解説する。

平塚競輪場(photo by Shimajoe)

ファンが選ぶ「競輪界のスター」集結

 8月13〜18日に平塚競輪場で開催される「オールスター競輪(GI)」。6月中旬に出場選手が発表された。

 競輪界唯一の「ファン投票」により出場選手が決まる大会。4〜5月に開催時S級S班およびS級1班に在籍する全選手を対象にファン投票が行われた。

 それでは選考条件を見ていこう。

【オールスター競輪 選考条件】※開催時S級
(1) S級S班在籍者
(2) 過去3回以上優勝した者(開催時S1)
(3) パリ五輪自転車競技トラック種目代表選手
(4) 選手選考対象期間において2か月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S1)
(5) (1)〜(4)で選抜された者を除くファン投票上位50名
(6) (1)〜(5)で選抜された者を含む平均競走得点上位125名
(7) 残余については選考委員会が10名を選抜
※選考期間は2023年12月〜2024年5月の6か月

 ポイントとなるのは(5)の「ファン投票上位50名」だ。先に述べた通り、S級1班に在籍していればファン投票にエントリーされ、選考期間に平均競走得点が低かった場合でも得票数が多ければ出場が可能となる。

ファン投票1位の古性優作(左)と児玉碧衣 (公財)JKA提供

 ファン投票の枠を除いた大半は、高松宮記念杯同様に平均競走得点が重視される。さらに出場選手数は135名とダービー(162名)に次いで多い。

 今大会は、パリ五輪日本代表選手もエントリーしている。パリ五輪の自転車トラック競技日程は8月6〜11日で、オールスター競輪の前検日は12日のためかなりの強行日程といえる。世界の舞台から帰ってきた選手たちの走りが見られるのを楽しみにしたい。

ファン投票17位の新田祐大は出場できず

 東京五輪に出場した新田祐大は、ファン投票17位で「オリオン賞レース」出場圏内にランクインしたが、出場選手に名前がない。なぜだろうか?

 このオールスター競輪をはじめ、ビッグレースの出場条件には「最低出走本数」や「選考除外基準」がある。失格や違反点の累積等で出場あっせん停止措置を受け、GIに出場できない例は多々見受けられる。

 オールスター競輪の場合、2023年12月〜2024年5月の選考期間で最低出走本数は24走を満たさなければならない。ただし、五輪などの国際大会への出場ややむを得ない事由があれば審議され、除外されないこともある(今回のパリ五輪出場選手は除外されない)。

 新田の場合は2月のGI「全日本選抜競輪」での失格(先頭誘導員の早期追い抜き)で、約4か月のあっせん保留・停止期間があった。そのため選考期間、失格したレースを除いて22走しかしていない。そのためファン投票上位であっても出場が認められなかったとみられる。

新田祐大はファン投票17位ながら出場できず(撮影:北山宏一)

地区別出場選手数は?

 つぎに、オールスター競輪の地区別出場選手数を見ていきたい。

地区出場選手数
北日本19
関東23
南関東20
中部13
近畿18
中国11
四国11
九州20

 戦力層が最も厚いのは関東で、南関東、九州が続く。さらに都道府県別で見てみると、最も多いのが神奈川の11名。次点が福島の8名、茨城の7名。これは高松宮記念杯と同様の順だ。

 さらに茨城と同数で並んだのが岡山と熊本で、それぞれ高松宮記念杯から3名増となった。岡山はパリ五輪日本代表の太田海也ら、熊本はファン投票34位の中川誠一郎らが選ばれている。

太田海也(左)と中川誠一郎(撮影:北山宏一)

オールスター出場選手の競走得点

 オールスターに出場する選手の、直近の競走得点はどうだろうか? 7月30日時点での点数で比較してみた。

 出場全選手の平均は109.88(五輪出場のため競走得点0の4名を除く)。古性優作の119.70が断トツで、平原康多が116.83で続く。116点台は5名おり、吉田拓矢清水裕友深谷知広山崎賢人だ。

 五輪出場のため競走得点がない小原佑太中野慎詞太田海也窪木一茂を除くと、この時点の最低点は渡邉雄太の100.95で、100点を切る選手はいない。

一次予選はポイント制、昨年の勝ち上がりボーダーは?

 オールスター競輪は6日制の長丁場で、一次予選はポイント制の勝ち上がりだ。全員が一次予選を2走して勝ち上がりを競うが、ファン投票上位9名が走る「ドリームレース」、10〜18位が走る「オリオン賞レース」にはそれぞれ高い予選ポイントが与えられる。

 獲得ポイント上位9名は4日目「シャイニングスター賞」に進み、準決勝進出も同時に決まる。ポイント10〜63位は二次予選回りとなり、二次予選6レースの上位3名が準決勝に駒を進める。そして準決勝3レースの上位3名が決勝へ進む。

2023年オールスター競輪決勝メンバー(撮影:北山宏一)

 ポイント64位以下が一次予選敗退となるが81位までは選抜(1)、82〜99位までが選抜(2)、100位以下は一般戦と分けられる。一般戦回りになった36名はこのレースをもって帰郷となる(3回出走)。

 昨年の一次予選ポイント結果を見てみると、勝ち上がりボーダーは以下の通りだった。同点の場合は選考順位により序列される。

2023年一次予選勝ち上がりボーダー

結果獲得ポイント
シャイニングスター賞31〜24pt
二予進出24〜15pt
選抜(1)15〜13pt
選抜(2)13〜11pt
一般11〜6pt

 ちなみに、ドリーム出場で連勝…31pt、オリオン出場で連勝…28pt、一予9着2回で6ptとなる。参考までに、各レースの予選ポイントを表にした。

一次予選着位ポイント表

結果ドリームオリオン一次予選
第1走
一次予選
第2走
1着18151013
2着1714911
3着1613810
4着151279
5着141168
6着131057
7着12946
8着11835
9着10724
棄権8511
失格
欠場
0000

2023年のシャイニングスター賞を制した佐藤慎太郎(写真提供:チャリ・ロト)

グランプリ出場権争いは激化

 後半戦最初のGI・オールスター競輪。ご存じの通り、前半戦のGIはすべてS級1班の選手が獲り、すでに来期のS班は3名の入れ替わりがほぼ確定している。

 賞金でのKEIRINグランプリ出場権争いも7月30日時点でS班6名が出場圏外となっており、昨年に続きトップ戦線は波乱となっている。

 オールスター競輪の優勝賞金は5,900万円。苦戦が続くS班勢は、タイトル獲得での挽回はもちろんのこと、高額賞金がかかるGIでひとつでも格上のレースを走り、賞金を積み上げたい。

2023年オールスター競輪表彰式、優勝した眞杉匠(左)とインタビュアー山口幸二さん(撮影:北山宏一)

 競輪のトップ選手、ファンから支持を集めた選手、そしてパリ五輪で世界を舞台に戦った選手。スターがそろい踏みする“真夏の祭典”で、ぜひ白熱のレースを目に焼き付けてほしい。


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