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ナショナル不在の賞金レースは荒れ模様? 坂口楓華が独走中、児玉碧衣は17位でGIへ/ガールズケイリン序盤戦

アプリ限定 2024/04/24(水) 18:00 0 9

2023年は“国内最強”の呼び声高い佐藤水菜がガールズグランプリを制し幕を閉じた。パリ五輪を控える2024年、ナショナルチームの面々はガールズケイリンに参戦していない。今年最初のガールズGI「オールガールズクラシック」を前に、ここまでの賞金状況から今年のガールズケイリン界を見ていきたい。(※賞金は4月23日時点)

ナショナルチーム不在の序盤戦

 パリ五輪まで残り100日を切った。ナショナルチームとして五輪出場を目指す昨年の賞金女王・佐藤水菜らは、ガールズケイリンから遠ざかっている。

 佐藤を筆頭に、太田りゆ梅川風子ら圧倒的な脚力を誇るナショナルチーム勢。ガールズケイリン参戦時は車券的にも人気を集めるが、しばらくは参戦がない。

佐藤水菜
ガールズグランプリ2023は佐藤水菜が優勝(撮影:北山宏一)

 そんな今年のガールズケイリン界を支えている「生粋の競輪選手」たちが集結する「オールガールズクラシック」。昨年からGIが新設され、優勝すれば年末のガールズグランプリの切符を手にすることができるようになった。

 当然ながら、強いナショナルチームが不在の今は多くの選手にとってチャンスでもある。彼女たちが戻ってくるまでにグランプリ出場を決めておきたい、というのが本音だろう。オールガールズを制してグランプリ出場権一番乗りとなるのは誰だろうか。

児玉坂口
坂口楓華(右)と児玉碧衣(撮影:北山宏一)

初タイトルの坂口楓華が独走中

 さて、賞金状況を見てみよう。ガールズケイリンは賞金上位20名が発表されている。上位7名、現時点でのガールズグランプリ出場圏内の賞金状況をグラフに表した(★印はガールズグランプリ2023出場選手)。

 今年行われたガールズケイリンのビッグレースは3月の取手競輪「ガールズケイリンコレクション」のみ。同レースを制し初タイトルを手にした坂口楓華が、優勝賞金290万円を手にして賞金ランキングを独走している状況だ。

 坂口はビッグレースを制しただけでなく、普通開催でも無双状態。児玉碧衣と同あっせんだった1月の立川以外はすべて優勝。競走結果には「1着」がズラリと並び、2着と3着が1回ずつあるだけだ。  

坂口ガルコレ
坂口楓華は最後の「ガールズケイリンコレクション」を制した(撮影:北山宏一)

実力者がリベンジの1年に挑む

 次点につけるのはガールズケイリン初期からトップ選手として活躍してきた石井寛子小林莉子だ。

 昨年からガールズケイリンはGIが新設され、賞金でのガールズグランプリ出場が以前に増して狭き門となった。

 石井は10年連続で出場していたガールズグランプリを、昨年初めて逃した(賞金8位で補欠)。初代グランプリ覇者である小林莉子も地元グランプリに出場できず、悔しい思いをしたことは想像に難くない。

石井小林
賞金ランク2位の石井寛子(右)と3位の小林莉子(撮影:北山宏一)

 レジェンドたちが迎えたリベンジの1年。今年は序盤から貫禄の戦いを見せている。

太田美穂の台頭、石井貴子のカムバック

 気になるのは4位につける太田美穂。昨年はGI「パールカップ」と「競輪祭女子王座戦」に出場しており、普通開催では常に優勝候補となる有力選手だ。

 今年の優勝回数は4回。月に3開催をコンスタントに走り、1度は優勝している。決勝で2度確定板を外した以外はすべて車券に絡んでおり、取りこぼしの少なさも目立つ。

太田石井
賞金ランク4位の太田美穂(右)と6位の石井貴子(撮影:北山宏一)

 石井貴子(千葉)のカムバックにも注目だ。昨年は練習中のケガで長期欠場。一時は引退も考えたというが、7月に復帰してからはブランクを思わせない活躍ぶりを見せ、賞金ランキング6位につけている。

 石井は「オールガールズクラシック」には出場しないが、今後もトップ戦線で欠かせない存在になるに違いない。

シビアなガールズ賞金争い

「ガールズグランプリ2023」出場選手のうち、現時点で賞金7位以内に入っているのは坂口楓華吉川美穂だけ。ナショナル2名が不在であることを鑑みても意外性のある経過に思える。

 賞金ランキング8位以下のグラフは以下の通り。

 ここでようやく尾方真生久米詩児玉碧衣の名前が出てくる(ガールズグランプリ2023出場選手が★印)。周りを固めているのも普通開催で優勝争いをしている面々ばかりだ。

 グラフを見てわかる通り、僅差に多くの選手がひしめいている。ガールズの賞金レースは男子にも増してシビアな争いだ。今後、GIを中心に動いていくことになる。誰が大きく賞金を積んで抜け出してもおかしくないだろう。

久米尾方
ガールズグランプリ2023に出場した尾方真生(右)と久米詩(撮影:北山宏一)

地元トップレーサーの反撃は必至

 今回のGIの舞台は久留米。名実ともにトップに君臨する児玉碧衣の地元バンクだ。その児玉は現在賞金ランキング17位と、想定外な位置にいる。

 これは腰痛と体調不良により2月をまるまる欠場したことが大きい。復帰2戦目の「ガールズケイリンコレクション」は7着と大敗を喫したが、その後は2開催完全優勝。前走の松山では連日後続をぶっちぎる圧勝で、万全の状態でGIを迎えられそうだ。

児玉小林
地元GIを迎える小林優香(左)と児玉碧衣(撮影:北山宏一)

 さらに久留米の実力者といえば、東京五輪に出場した小林優香。22年9月にナショナルチームを引退してからはケガに悩まされ、昨年11月のGI「競輪祭女子王座戦」出場は逃してしまった。

 今年も出走回数がほかの選手より少なく、賞金ランキングでは発表されている上位20位圏外。しかし負傷欠場明けとなった4月10日の小倉では通算300勝を達成し、さらに完全優勝を挙げた。

 スロースタートにはなったが、“ガールズ王国久留米”を背負う二人が、GIを盛り上げることは間違いないだろう。

 GI「オールガールズクラシック」はいよいよ26日に開幕する。久留米の夜を照らす熱い戦いに期待したい。


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