近畿勢の並びや北日本SSトリオ連係など、見どころ満載だった決勝戦。一時は8番手に置かれた松浦悠士だったが、持ち前の俊敏性を見せてVロードをこじ開けた。

「位置はどうあれ、とにかく脚を溜めようと考えていた。だいたい思った通りの展開になったし、8番手になったけど落ち着いていた。古性(優作)君が必ず仕掛けると思っていたので」

　古性が最終ホームから仕掛けると、前団の新田祐大が抵抗。両者がもつれて新田が落車し、隊列が短くなった。そこで生じた隙を松浦は見逃さなかった。

「スピードをもらって、脇本さんの内を行くか外を行くか。外を行きかけたけど、それではダメだった。(内に行った)あの辺の判断は瞬時に出来たんじゃないかな。ようやく自分らしい走りが出来るようになった」

　脇本の内を俊敏に突くと、直線で力強く抜け出した。ゴール直後は思わずガッツポーズが飛び出した。

「新田さんが落車しちゃったのに、思わず(ガッツポーズ)してしまった。ちょっと反省ですね。でもそれくらい嬉しかった。本当に苦しい3ヶ月間だったし、苦しかった分、いつもより嬉しさもあった。本当に相性がいい大会。戦える自信が戻ってきましたね」

　年始から苦しい戦いが続いたが、5年連続優出のウィナーズカップで今年初V。

「今回で今年一年を戦える自信をつかみたかった。良かった。今後はGIでもしっかり勝負出来るように、積み重ねながら戦っていきたい」

　気は早いが賞金ランクは4位に浮上。それ以上に、自信を取り戻した事がなによりの収穫だったろう。 (netkeirin特派員)

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