各県に顔役と呼ばれる選手がいる。四国地区で例えると徳島は小倉竜二、高知は佐々木則幸、香川は香川雄介。中国地区で言えば山口は桑原大志、岡山は岩津裕介、広島は難しく、将来的には松浦悠士だが、現時点で誰だか思い浮かばない。点数うんぬんでなく、格が左右される。

　渡部哲男は「そう言ってもらえると嬉しいし、長く選手をやってきて良かったと思う。タイトルうんぬんを言える立場ではないけど、地元記念だけは別。松浦君、清水君、ここで連係する松本貴治君と、今回は中四国の自力選手が充実している。彼らの力を上手く借りたい」。

　これは何度も書いてきたが、渡部哲男も生きた時代が悪かった。あと10年早く、中国ゴールデンコンビが誕生していたら、タイトルホルダーになっていたはず。2002年にヤンググランプリで優勝しているが、それだけでは、もったいない。まだ43歳だし、もうひと花、咲かせて欲しい。(町田洋一)