2023/01/31(火) 11:00 0 10
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは28日に行われた「ちぎり賞争奪戦(GIII)」の準決勝で見せてくれた古性優作らしさ溢れる好プレーです。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
豊橋競輪のGⅢ「ちぎり賞争奪戦」の3日目、1月28日に古性優作(31歳・大阪=100期)が魅せてくれた。準決11R、古性らしさがあふれる珠玉の走りだった。
野口裕史(39歳・千葉=111期)が駆けて4番手をキープ。2角からまくると、最終バックから大暴れだ。直前部分でけん制する福田知也(40歳・神奈川=88期)の内に切り込む“エックス攻撃”を繰り出すと、おっと危ない!
福田が締めてきたので野口の後輪に差し込むものの、秘技“立ちバック”で対応。バランスを立て直した。
これはもはや一人緊急事態宣言。重なるアクシデントを衝撃の処置で切り抜けた。
エックス&立ちバックという集中力が極限に高まる中、最後は冷静に抜け出し1着でゴールした。★4つの好プレー。古性ならではの走りで、ファンの心を湧きあがらせるレースだった。
古性が走るレースは面白い。“古性が走るレースは現在の競輪の一つの好取組にもなる”のが定説だ。対照的に決勝は動きのないものだった。脇本雄太(33歳・福井=94期)を前に、別線は何もできず、動かず…。脇本がいることでレースが始まる前から術中にはまっていたかのようだった。
かつて大相撲の大横綱と呼ばれる力士たちの取り組みは、得てして“つまらない”取組に見えるという。ただし、そこに詰まった相撲の極致があって、そこを突き詰める必要がある。今の脇本の走りはまさにそれ。このポイントは今後また突き詰めていきたい。
すごいで賞=★★★★☆(星4つ)