2023/01/23(月) 18:00 2 8
東京スポーツの前田睦生記者がレースの中から”思わず唸った”選手をピックアップする「今週の競輪好プレー」。今週の好プレーは19日に行われた「吉井秀仁杯(FI)」の決勝で武井大介と野口裕史が見せた“師弟愛”です。前田記者直筆解説と一緒にぜひご覧ください。
松戸競輪で「吉井秀仁杯(FI)」の最終日が1月19日に行われた。S級決勝は12R。
吉井秀仁(引退=期)さんの弟子の武井大介(42歳・千葉=86期)が、武井の弟子である野口裕史(39歳・千葉=111期)との連係。吉井一門の晴れ舞台だ。
菊池岳仁(23歳・長野=117期)が単騎で、2車の三谷竜生(35歳・奈良=101期)が当面の相手。前受けの残り2周。来る気配もあまりないところだが、野口は踏み込んだ。
この距離で俺は勝負します。自分との勝負を見せることが師匠、また大師匠への礼儀。
カッコイイ。
これは無謀でなく、3番手にいる内藤秀久(40歳・神奈川=89期)への忠義でもある。ラインで戦う意志。後ろの2人の心にも火を点ける。着火において★はまず1つとしよう。
相手も強敵。三谷の巻き返しを武井が1角でブロックするも止まらない。ねじ込んで降りようとしてくる三谷を、2角で武井が押し返す。ここで★をプラスひとつとしよう。そして普段は番手で仕事に燃えるタイプに内藤は丁寧に内を締めて隙を与えない。さらに★をもうひとつプラス。
最後はスピード落ちずに逃げ切った地点で、レースでいえば★は全部で4つ。野口が演出した“おとこたちの吉井杯”だった。決勝の後の南関3人の汗と称え合う姿、かけ合った言葉は想像するしかないが、このシーンに★を足して、満点の好プレーレースだったとしたい。
すごいで賞=★★★★★(星5つ)