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【奈良競輪G3・秋篠賞】大塚健一郎は「近畿にふさわしくない男」

2021/05/02(日) 16:25 0 4

奈良競輪「施設整備等協賛競輪 秋篠賞(GIII)」は2日、最終日を迎えた。8Rを制した大塚健一郎は長年の不安材料をぬぐい去り、心の底から安どした。

苦手の奈良で1着を取った大分の大塚健一郎は独特の言葉使いでレースを振り返った

 2月の当地記念で落車し、左鎖骨を骨折したばかり。今シリーズは強行復帰したものの「出走本数が足りないから…。アドレナリンで乗り切れると思ったが初日に一走して、これは…と思った」と、決して万全の状態ではなかった。そんな状況なだけに、最終日とはいえ1着はうれしいに決まっている。

 胸をなでおろしたのはそれだけではない。「23年選手をやっているけど、奈良をまともに走り切ったのはたぶん初めてだと思う。帳面を付けていますが落車や失格、車体故障と漢字ばかりでここはずっと鬼門だった。戦績のデータを見ていれば、オレがもしお客さんだったら奈良のオレは買えないと思う(笑)」

 ただでさえ、追い込みタイプにとって333バンクは走りにくい。しかも大塚は目標が無ければ、他地区の一番強い自力選手の番手を主張するようなただでは引かないゴリゴリタイプ。それは、たとえ地元であろうが関係なく、どうしても道中のいざこざは激しさを増す。

 だから「オレは近畿にふさわしくない男でしょう」と自認している。この言葉を聞き、失礼ながらニヤけてしまった。それは以前に中川誠一郎が「大塚さんってこの状況では使わないだろうって言葉や表現をさりげなく使う。言葉のセンスが抜群におかしい」と話していたからだ。

 そんなに奈良が苦手なら、欠場して次の開催に備えるつもりはなかったか? と聞くと、「それだと、この後もず〜っと逃げ回らなきゃいけなくなる。だから今回、復活するしかなかった。競輪だから逃げないだけで、それ以外だったらとっくに逃げてますよ。これで、心おきなく眠れる」と笑った。

 やっぱり言語表現力はすぐれており、潔さや仕事にかける覚悟や重みが、いつまでも耳に残る。(netkeirin特派員)

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