2022/11/08(火) 14:30 0 4
派手なS級での実績はないが、競輪界に爪痕を残したと言える小坂敏之。古き良き時代の競輪に生き、昔ながらのマーカー。長らく選手会の役員もやり、4年間、選手会の支部長も務めた。
「若い時から10年ぐらい、選手会の役員をやり、その下積みを終えてから栃木支部の支部長になった。この年になると相談出来る人や、話せる人が少なくなる。鉄人・伊藤公人さんが存命なら、人生の師でもあるし、何でも相談に乗ってもらえたと思う。それでも武田豊樹君には練習を付き合ってもらったり、数日前には神山雄一郎さんとLINEで色々とやり取りをした」。
スキンヘッドで強面で、どちらかと言えば後閑信一さんと同じ系統。
「キャラ的に自分から若手にうち解けられない(笑)。茂木和臣さんとか、その辺りは上手いよね」。
今の競輪に思う事については「外国人と一緒に走っているのと一緒。若い子が強いから、技術とかでは、どうにもならない。あと何年やれるか分からないけど、栃木は60歳で北沢勝弘さんと野崎修一さんが頑張っている。この間、日刊スポーツでネット記事を書いてもらったけど、そう言うのも励みになるね」。
若い時は、良い意味で、とげとげしかった。名うてのマーカーだから、相手にスキを見せたくなかったからだろう。亡き伊藤公人さんも、とても話しかけられる雰囲気ではなかった。引退する1年ぐらい前から、急に僕らに話しかけてくれたり、写真を撮ってくれと、優しい眼差しになった。それに近いものを、小坂敏之選手にも感じた。(町田洋一)