アプリ限定 2025/06/25 (水) 12:00 7
『競輪選手になるために、そして夢を叶えるために』今年は第129回生として男子72名、第130回生として女子21名の候補生たちが日本競輪選手養成所に入所し、2026年のプロデビューを目指している。この時期、“未来の競輪スター候補”と題して毎年お届けしている本シリーズだが、今年は10名の注目候補生へインタビューを実施した。今回は129回生・兒島直樹(こじま・なおき)候補生を紹介する。(取材・netkeirin編集部)
2024年全日本選手権トラックのポイントレースで優勝、スクラッチで優勝、マディソンで優勝、オムニアムで優勝。今年2月のアジア選手権ではオムニアムで優勝。国内外で金メダルを量産する中長距離のエリートが養成所に入所した。ナショナルチームに所属して世界を相手に凌ぎを削る中、なぜこのタイミングで養成所生活を選択したのか。兒島候補生に現在地と見据える将来について話を聞いた。
ーー今年養成所に入った経緯や理由を教えてください。
昨年のパリオリンピックが終わって、今年が一区切りついたタイミングでした。もともといつかは競輪選手になりたいと思っていたので、節目となるタイミングを模索していたんです。でもいつも挑戦するにはタイミングが悪い感じで。パリオリンピックが終わり、次のオリンピックを目指していますが、今が良いタイミングに感じて養成所に入らせていただこうと考えました。
ーー競輪選手になることはもともとの考えだったのですね。
はい、いつかはと思っていました。自転車でお金が稼げる職業というのが理由のひとつです。経済的に豊かになれば、のちのちも楽しくやっていけると思いました。
ーー長い目で見ての判断なのですね。さて、直近ですが香港インターナショナルカップではオムニアムで優勝、同じく今年入所した松田祥位候補生とペアを組んでのマディソンで優勝しています。昨年も数々の大会で金メダルを獲得しました。今、競技生活は順風満帆に進んでいますか?
ちょこちょこ結果は出ているかなとは自分で思うんですけど、もっと大事な大会や場面であまり結果を残せてないのも事実なので、順風満帆とは言い難いですね。
ーーでもこのまま次の五輪を目指していく形ですよね。
はい、そこが今の最大の目標です。
ーーパリ五輪の選考では落選という結果でしたが、その経験はご自身の中でどのように消化されているのでしょうか?
落選したと伝えられた時は落ち込みましたし、1か月くらいは落ち込んでいたと思います。でもオリンピックに出られないから人生が終わったわけではないと考えを改めていくことができました。落胆はしましたけど、次の大会に向けて気持ちを切り替えて行けたことは大きいことだと思っていますし、収穫とも言えますね。
ーー兒島候補生の人生にとって、大きな出来事でしたもんね。養成所で学ぶことで競技人生に生かせそうな部分はありますか?
養成所はやっぱりスピードを鍛えることができる場所だと思っています。そこは自分の弱点でもあるので、スピードを強化していくことは競技にも活かせるポイントになりますね。養成所でスピード力、スプリント力を向上させれば競技での課題克服にも繋がるので、いっぱい学べることは学んで生かしていきたいです。
ーー話を少し変えてしまいますが、兒島候補生はどんな性格でしょう?
ええ、なんだろうな…(微笑)。マイペースです。冷静に物事を見るような感じはあるかもしれないです。
ーーレースでも強みになりそうな性格ですね! 趣味はありますか?
アニメを観たり漫画を読んだりします。ジャンプ系ですかね。ワンピースが好きで読んでいます。
ーーワンピースで好きなキャラクターはいますか?
チョッパーがかわいいです。
ーーかわいいですよね! また自転車の話に戻りますが、自転車競技選手としてはどのようになっていきたいですか?
日本の中では、“まず誰にも負けない”ぐらいの強さになりたいです。そして世界の舞台では表彰台を争えるような選手になっていきたいです。
ーー競輪選手としてはどんな選手になっていきたいですか?
競輪選手になって本腰を入れていくのは競技が一旦は落ち着いてからになると思っています。まだ競輪について詳しくないのでこれから勉強していきますが、GIを目指せるような競輪選手になりたいです。出場したいGIが明確にあるわけではないのですが、カテゴリーとして選手になるからにはそこを目指していきたいです。
ーー今日はありがとうございました。自転車競技もこれからの養成所生活も応援しています。
ありがとうございます。これからたくさん勉強して成長していきたいです。
2024年パリ五輪選考ーー。数々の大会で実力を示した兒島候補生は落選となり、夢舞台への切符をつかむことはなかった。それでも落胆する気持ちを乗り越えて次期五輪を目指し前進を続けた。2028年ロス五輪まであと3年、兒島候補生は競輪選手養成所に入所し、競輪選手を目指しながら自身のウィークポイントも克服していく気づもりだ。
雰囲気は温厚な語り口だったが、「日本ではまず誰にも負けないくらいの強さを」など志は高く、その言葉の語気は強い。アスリートとして、公営競技選手として大成する未来を願ってやまない。
netkeirin編集部
netkeirin Editorial department
netkeirin編集部がピックアップする“未来の競輪スター候補”のインタビューをお届けします。