2025/04/08 (火) 18:00 21
4月25日〜27日に岐阜競輪場で開催される今年最初のガールズGI「オールガールズクラシック」の注目選手を元ガールズケイリン選手・高木真備さんに挙げてもらいました。また先日伊東競輪場で行われたフレッシュクイーンについても振り返ってもらいます。
ーー今年最初のガールズGI「オールガールズクラシック」が約1ヶ月後に迫ってきました。
いよいよですね! すごく楽しみにしています。
ーーのちほどオールガールズクラシックの注目選手を挙げてもらいたいのですが、その前に先日行われたフレッシュクイーンを振り返っていただきたいと思います。優勝したのは熊谷芽緯選手でした。
熊谷選手は自分のレーススタイルというものを確立していたことが、勝因だったと思います。普段から先行している選手だからこそ、本番でも自信をもってあの走りができたのかなって。タイムでは敵わない相手でも、バンクの特性を生かしたりペース配分などを工夫することで勝てることがある。それがガールズケイリンの醍醐味だと思っているので、それを体現してくれた走りはすごく感動しました。
ーー人気を集めたナショナルチーム所属の仲澤春香選手は2着でした。
仲澤選手はネーションズカップに出場していたため、帰国してからあまり日にちがない中での参戦になり、調整も難しかったのかもしれません。それでもレース後のコメントで「ナショナルチームの先輩たちは厳しい日程の中でも結果を出しているので」と言っているのを見ました。言い訳することなく、もっと頑張ろうと前向きになっている姿は好感が持てますし、これからもっと強くなっていくんだろうなと感じました。伸びシロもたっぷりあるはずですし、今後の活躍を楽しみにしています。
ーーでは、オールガールズクラシックに話題を移します。中心となるのはやっぱり…
佐藤水菜選手になると思います。
ーー佐藤選手がガールズケイリンを走るのは1月以来と久々になります。
今までもそういった状況で結果を出していますし、その辺りは心配ないのかなって。ウィナーズカップの時のトークショーで「今年はGIを全部取ってグランプリスラムを達成したい」と言っていたという記事を読みました。GIがなかったころは、賞金を積み重ねることでしかグランプリに出られませんでしたが、今はGIを取ってグランプリに出たいという選手が増えてきたように思います。佐藤選手もその1人で、しっかりGIに照準を合わせて取りにくるでしょうし、優勝候補の筆頭格とみています。
ーー太田りゆ選手はいかがでしょう。
去年の途中からガールズケイリンに専念している太田選手は、今が一番、気持ちがフレッシュなのかなって思います。1年目のようなメラメラした感じというのでしょうか、普通開催でも一つ一つが新鮮で、楽しく充実した日々を送っているのかなって想像しています。
私も経験があるのですが、何年も選手を続けていると、モチベーションの持っていき方が難しくなったり、考えることが増えて1年目のようなフレッシュな気持ちで走れなくなったりするので…。勢いも脚力もある太田選手が、ここで初のタイトル獲得ということも十分可能性があるように思います。
ーー他に気になる選手はいますか。
児玉碧衣選手がどこまで調子を上げてくるのか、楽しみにしています。
ーー児玉選手は2月の松阪から先日の別府2日目まで14連勝と、復調気配を示していました。レースぶりを見てどう感じましたか。
碧衣ちゃんの調子が本当にいい時というのは、先行とまくりの決まり手が半々くらいの時だと思うのですが、最近は逃げの決まり手がなく、まくりだけになっているので…。スピードをもらって乗せていくのが上手な選手ですし脚力もあるので、多少調子が悪くても今回のように成績をまとめることはできると思います。ただ成績と調子はイコールではないというのは私も現役時代に経験しています。連勝中でも「ダメだな」って思う時もありますし、逆に負けても「イケるかも」って手ごたえを得られる時もあります。
最近の碧衣ちゃんは、コメントではまだ気持ちの部分を含めて本調子ではないと話すことが多いようですし、実際に長い距離の仕掛けが減っているので、まだ納得のいく状態ではないのかなって。連勝が止まった別府決勝は、久米詩選手にかわされて2着でした。久米選手も脚のある強い選手ですが、それでも絶好調の時の碧衣ちゃんなら抜かれていなかった気がします。
ーーなるほど。本番までにどれだけ納得のいく状態に仕上げてくるのか注目したいですね。
人気のある選手ですし、碧衣ちゃんが優勝争いに加わってくれば大会はより一層盛り上がると思うので頑張ってほしいです。
ーーフレッシュクイーンを制した熊谷選手も出場します。
熊谷選手は今回の舞台である岐阜へ冬期移動をしているようで「岐阜は第二の故郷」というコメントも読みました。地の利はあると思いますし気持ちもかなり入るでしょう。ただ、GI初出場だった去年の競輪祭(女子王座戦)の時よりも、相手からの警戒度は高まっているはずです。
今までは挑戦者としてガムシャラに先行していましたが、『熊谷を駆けさせるとまくるのは難しい』と考える相手が増えてくれば、そう簡単には先行させてもらえないでしょうし、戦いにくくなるはずです。ここをどう乗り越えるか。警戒される中でどうやって主導権を握るか、そしてどこまで粘り込めるか。この壁を超えることができれば、熊谷選手はもうワンランク上の選手になれる気がします。逆に、まだ警戒されていないようでしたら大駆けのチャンスかもしれません。
ーーありがとうございます。では最後に真備さんからお知らせなどはありますか。
4月のわんにゃんフェスティバルは、12日に「武雄競輪場」、13日は群馬県の「トーターレボリューションドーム館林」で開催されます。ぜひ、お近くの方は足をお運びください。
高木真備
Takagi Makibi
元ガールズケイリン選手(106期)。2014年に奈良競輪場でデビューし、玉野競輪場で初優勝する。2016年のガールズケイリンコレクションでファン投票1位を獲得して、優勝。同年末にガールズグランプリ初出場を果たす。2020年には、特別競輪ガールズケイリンフェスティバル(いわき平)で完全優勝し、同年のガールズケイリンコレクション(伊東)も優勝した。ガールズケイリングランプリ2021で悲願の優勝を果たし、2022年4月に引退。現在は動物保護活動をしている。