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女王・児玉碧衣の“まだまだ成長中!”

“引退”よぎるほど苦しかった2024年 グランプリで呼び覚まされた闘志「お金関係なしに、強くなって優勝したい」/児玉碧衣コラム

2025/01/23 (木) 18:00 21

ガールズケイリン・児玉碧衣選手のコラム。選手生活10年目にして迎えた「今までで一番苦しい年」だった2024年。そんな一年の締めくくりとなるグランプリは、結果こそ5着でしたが、その舞台に立ったことでは大きな心境の変化があったといいます。今後の選手生活のターニングポイントになりそうな大一番を振り返るとともに、2025年に向けた意気込みを語ってもらいました。

(撮影:北山宏一)

ーー碧衣選手、2025年もよろしくお願いいたします。

 netkeirinをご覧のみなさま、去年はたくさんの応援ありがとうございました。本年もどうぞよろしくお願いいたします!

ーーでは早速ですが、昨年末のグランプリについてうかがいます。レースに臨むにあたって、心身の状態面はいかがでしたか。

 体調を崩してグランプリの前哨戦を走れなかったですし、調子もあまり良いとは言えず、ちょっと気持ちも落ちていましたね。脚もないし、悔しいみたいな気持ちもあまり出てこなくて。それこそ、選手(続けるの)どうしようかなって考えたこともあったくらいだったので…。

ーーそうでしたか。そんな中、いざ本番を迎えてどうでしたか。

 でも、グランプリの発走機に立った時に、お客さんの数と声援にほんとに震えました。

ーー発走直前に思うところがあったのですね。

 なんか競輪のおもしろさをいろいろ思い出したというか。うわ〜、グランプリを走る自分なんかカッコいいなって。走る前からちょっと震えていましたもん(笑)。

(撮影:北山宏一)

ーーレースは果敢に攻めるも、まくり及ばず5着という結果でした。

 ホームで(坂口)楓華がカマしてきて、そこに反応はできたんですけど、ワンテンポずれたのか、楓華と接触しちゃいました。そこでひるんじゃったのもあったし、バックでもサトミナとも接触しちゃって。悪いところが重なったのもあったけど、それも含めてその時の実力だったのかなって思います。

ーー見ている方としては、7人全員が力を出し切った素晴らしいレースだったなと感じました。

 最近の大きいレースでは、みんながサトミナを気にしていたことが多かったと思うんですけど、今回のグランプリに関しては、それぞれが自分のレースをやったから、あのようなレース展開になったのだと思います。人を気にせず自分のやりたいレースをするのが大事なんだということを改めて自分も感じました。

 そして、国内のガールズケイリンを走っている選手が、(世界選手権で)金メダルを獲ったサトミナにも勝てるんだということを(石井)寛子さんが優勝という形で証明してくれたので、私も頑張らないといけないなと強く感じました。

それぞれが自分のレースをやったガールズグランプリ2024(撮影:北山宏一)

ーーいい意味でギラギラした感じの碧衣選手が戻ってきましたね。

 お金よりも「グランプリを優勝したい。お金関係なしに、この舞台で強くなって優勝したい」と改めて思いました。その感覚を忘れかけていたというか、思い出させてくれたグランプリになりました。

ーーグランプリ直後に静岡で行われたトークショーで、ファンの方たちの前で「毎日1回は自転車に乗る」ことを宣言したそうですね。

 はい。とりあえず毎日1回自転車に乗るって決めました。私、良い事も悪いこともすぐに忘れちゃうタイプだから、グランプリが終わってすぐに携帯のメモに書きだして、これを待ち受けにして心に刻んでいこうって思いました。(練習仲間の尾方)真生にもすぐ「まおグランプリお疲れ、来年(25年)は1日1回絶対自転車乗るので、ウチが来なかったからLINEして」って送ったんです。そうしたら「わかりました。でも碧衣さん、それ去年も言ってましたよ」って言われちゃいましたけど(笑)。

ーー(笑)。まもなく1月も終わりに近づいてきましたが、実際に毎日自転車には乗っていますか。

 しっかりモチベーションも維持できていますし、毎日自転車にもしっかり乗っていますよ。

ーー今年の碧衣選手は違いますね!

 (グランプリの)優勝から4年も遠ざかっているので。今年の平塚グランプリは優勝したいなって、マジで思っていますし、もう一回しっかり頑張りたいので、一生懸命やっています!

(撮影:北山宏一)

ーーさて、今年初戦の取手は114という結果でした。予選の2日間の力強いまくりは復活を予感させるものでしたが手ごたえはどうでしたか。

 2日目までは良いレースができたと思います。毎日自転車に乗って練習しているので、動けているのかなって。ただ決勝が…。(勝負所で内を空ける)初歩的なミスをしてしまい、恥ずかしかったんですけど(苦笑)。それでも悪くは捉えていません。

ーーグランプリ優勝を目指す戦いが本格的に始まりましたね。

 そうですね。でもその前に、まずはグランプリ出場の権利を取らないといけないので。賞金を積み重ねるなり、GIを獲ることを目標にしていきたいと思います。

ーーでは、改めてになりますが今年の抱負をお願いします。

 去年は成績が芳しくなくて、いつも応援してくれる皆さんの期待に応えられずにすごく悔しい一年を過ごしたんですけど、 去年のグランプリを走ってまたあの舞台で戦いたいとすごく強く思いました。今年は高く目標を掲げて、皆さんの期待に応えられるように頑張りたいと思います。 これからもたくさん応援してくれると嬉しいです。

ーーnetkeirinにもファンの方からの応援メッセージもたくさん届いています。

 本当にいつもありがとうございます。いつも全部読ませていただいています。来月のコラムでは質問などにも答えられればと思っているので、ぜひ送ってみて下さい。

(撮影:北山宏一)


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女王・児玉碧衣の“まだまだ成長中!”

児玉碧衣

福岡県大野城市出身、108期生のガールズ選手。2015年に松戸競輪場でレースデビュー、初勝利。2018年8月にはガールズケイリンコレクションいわき平ステージ・ガールズドリームレースでビッグレースの初優勝を経験し、同年11月のガールズグランプリトライアルレースの優勝してグランプリの出場権を得た。初出場でガールズケイリングランプリ2018のタイトルを獲得すると、2019年、2020年も優勝し、グランプリ史上初の3連覇を達成。3年連続で賞金女王となった。好きなアーティストは倖田來未。

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