2024/12/11 (水) 12:00 18
広島競輪場が改修工事中のため、玉野競輪場で大阪・関西万博協賛「開設72周年記念in玉野 ひろしまピースカップ(GIII)」が12月12〜15日に開催される。代替開催にはなるが、地元の松浦悠士(34歳・広島=98期)が断然の主役になる。そこに、12月30日の静岡「KEIRINグランプリ2024」出場を決めている新山響平(31歳・青森=107期)もいる。
S班としては松浦、新山と山口拳矢(28歳・岐阜=117期)の3人で、12月の記念はメンバーが薄くなりがちなのだが、今年はどこもそうではない。太田海也(25歳・岡山=121期)もいれば、北日本の面々も充実。菅田壱道(38歳・宮城=91期)ももう脇役ではない。来年はGI優勝あるのみ、の立場だ。
新山は競輪祭の最終日に「大垣か玉野(広島記念)のどちらかは走りたい」と話していた。レース勘を保つ意味でも、間隔が空きすぎない方がいいとの判断だ。大垣は競輪祭の死闘の後で厳しいこともあったか、玉野バンクは2020年3月に郡司浩平(34歳・神奈川=99期)との同着優勝があって、相性の良さも出走を決意するのにつながったと思う。
松浦は昨年大会を走っていないが、出走機会のある流れでは3連続優勝、4回目のVを狙う。ファンサービスに熱心なことは有名だが、とにかくファンの声援を力に強くなっていった。来年は代替開催ではなく広島で本場開催、という予定なので、勝って来年につなぎたい。
状態面は申し分ない。太田との緊密で熱い連係に期待がかかるし、もしかしたら太田が押し切るシーンも…。太田としては地元のバンクでのシリーズなので、広島記念とはいえ、いつも以上の気合だろう。競輪祭の悔しさをぶつけていく。
山口も大垣記念の悔しさを晴らさないと年を越せない。地元記念を準優勝に終わった分、気持ちを切らすことなく、ここで暴れるのみだ。進化の兆し明らかな走りに注目したい。
森田一郎(23歳・埼玉=125期)の名前がある。11月取手の決勝で落車失格となり、復帰戦だ。これからの競輪界を引っ張っていける逸材が、4日制の記念、9車立てでどんな走りを披露するか。
“慣れ”の部分で仕方ない面も出るかもしれないが、先につなげるための大きなシリーズになる。元々が、「競輪が好き」というキャラクターなので、本人は大いに楽しみにしていることだろう。
123期の広島の新星・西田優大(27歳・広島=123期)も将来を占う戦いになる。登場は遅れたが、昨年大会の覇者・山田庸平(37歳・佐賀=94期)も忘れてはいけない。
最終日の9Rで行われる「レインボーカップチャレンジ」だが、これまた難しい。125期8人に、来期はS級に上がることが決まっている塚本瑠羽(27歳・神奈川=119期)の9人。塚本の心境は微妙なところだろうが、これは取材を待ちたい。
125期は9連勝できなかったメンバーと言える。この期は総じてレベルが高いので星のつぶし合いのようになり、9連勝が難しい。8人全員が「S級で」を期待される素材なので、誰しもが1〜3着に入って、まずはA級1・2班へ、と思っているだろう。
川上隆義(24歳・栃木=125期)の繰り上がりで3人になった栃木勢の並びや、中部3人がどうするか、これもまた取材を待つほかない。車券推理ができない状況だが、気になるのは稲川翔(40歳・大阪=90期)が「大阪のイケメン枠、奪われるんちゃうか…」とおびえているという説がある久田朔(21歳・大阪=125期)だ。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。