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前田睦生の感情移入

【北条早雲杯争奪戦】郡司浩平、北井佑季、松井宏佑、和田真久留の関係は…

2024/08/23 (金) 12:00 37

郡司浩平(右)と北井佑季の関係は?

神奈川戦国時代

 小田原競輪場で大阪・関西万博協賛「開設75周年記念 北条早雲杯争奪戦(GIII)」が8月24日に開幕する。平塚競輪の大阪・関西万博協賛ナイターGI「第67回オールスター競輪」が8月18日に終わったばかり。平塚からすぐ隣の小田原で、平塚に残した悔しさを神奈川勢がぶつける。

 郡司浩平(33歳・神奈川=99期)が神奈川のエースとして君臨し、南関を引っ張ってきた。そして北井佑季(34歳・神奈川=119期)が完全に台頭し、タイトルも手にした。松井宏佑(31歳・神奈川=113期)、和田真久留(33歳・神奈川=99期)らがすぐそばにいて、今の神奈川の陣容は厚い。

 並びとしても、常に流動的となっているほど、それぞれの立っている場所は近くなっている。平塚オールスターの決勝では、郡司が『前』も想定されたが、9人のバランスを考え、また松井の仕上がりの良さを含めても松井が「力勝負」で前になった。しかし、前後の判断は五分五分といっていいくらいだった。

どんな関係性になっていくのか

松井宏佑はどうなっていくのか

 今年、だけを考えていくなら、残りのGI2つを中心に松井がチャンスのある位置を回ることになる。郡司と北井がKEIRINグランプリの出場権を持っていて、幅のある戦いをしやすい。今年終盤の神奈川の主役は、ある意味で松井といえる。恐ろしく高いレベルで切磋琢磨し、結束し合う時代になっている。

 南関には深谷知広(34歳・静岡=96期)という絶大な存在もいるので(今シリーズは出場しない)、選手たちの関係性が並びに現れる面白さ、深さを味わってほしい。今こそ、「競輪は人間が織りなす珠玉のドラマ」と訴えたい。

 実績から来る“格”を考えれば、郡司を軸として進んでいく神奈川の物語だろうが、郡司も郡司で、番手を狙われ、奪われていては先はないと自覚している。一寸先は闇、であり、また闇を恐れていては信頼をなくす。厳しく、過酷な戦いを選手たちは、日々、全国で行っている。郡司は優しい性格なので、あまり全体を「俺がまとめて」はしないタイプだが、その走りで示してほしい。

 特に今シリーズ。北井と松井は口の中が血だらけと思われるほどの悔しさを背負ってくると思う。郡司が軸となって戦い、“もっと大きな神奈川”につなげられるかを見たい。

脇本雄太の存在

脇本雄太が地元勢に立ちはだかるか

 上述の流れを感じる意味でも、脇本雄太(35歳・福井=94期)が走ることが、物語の味付けを濃くする。「体はきついですが、頑張ります」。平塚の脇本の走りは、どう考えても体に負担が襲ってくるものだった。現実的にKEIRINグランプリの賞金争いもあり、戦う意外に道はない。

 神奈川勢がそんな脇本とどんなバトルを繰り広げるのか。もう1人のS班・佐藤慎太郎(47歳・福島=78期)はこれまでの関係から南関との連係もありそうで、今シリーズは敵対的な書き方はできないが、別線にいるとなればそのヨコの動きは脅威でしかない。

 北条早雲という戦国時代の華といえる人物の名前が冠された大会。神奈川の選手たちが、どんな関係性を見せるのか、に注目しながら追いかけたい。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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