2023/06/10 (土) 18:00 24
5月26日に日本競輪選手養成所の入所式が行われた。今年入所した125期・126期生の中から、豊田美香(とよだ・みか)候補生を紹介する(取材構成・netkeirin編集部)。
長野出身の豊田候補生は、宮城県の大学へ進学し、徳島県で小学校の教員になった。地元に戻って教員になる人も多い中、大学3年のときに訪れた徳島に魅力を感じたのだという。
「長野に帰る選択肢もあったんですけど、人生一度きりなので。就職のタイミングで行ってみようかなと」
就職してから趣味で始めたロードバイクで素質を見出され、「教員は年を取ってからもできる」と、一念発起して競輪選手を目指すことに。小学校教員というハードな仕事を続けながら修行に明け暮れた。遠方地に異動になってからは、朝7時前に高速道路を使って通勤し、帰宅は夜9時ごろだった。
「とにかく時間がなくて、それはすごく大変でした。帰ったら自転車乗って寝る、という生活をしていました。早く寝られるときでも1時ぐらいで、6時には起きないと間に合わない…でも、限られた時間だったのでその分集中して練習できたかなと思います」
最後に担当した生徒たちには「私も新しい夢に向かってがんばるので、みんなもがんばってね」とメッセージを伝えたという。
そんな豊田候補生の競輪選手になってからの夢は。
「これまで何かで一番になったことがないので、グランプリで優勝して、今までお世話になった方に恩返しができたらと思います」
運命を感じて移住した徳島で、教員から競輪選手への転身に挑戦した豊田候補生。持ち前の体力と思い切りで“一番”になる日が楽しみだ。
netkeirin特派員
netkeirin Tokuhain
netkeirin特派員による本格的読み物コーナー。競輪に関わる人や出来事を取材し、競輪の世界にまつわるドラマをお届けします